※和泉×遊海くん
※遊海くんは鬼怒川さんに片思いという捏造設定




俺の下に組み敷かれた遊海は弱々しくて、青い瞳を涙の膜で揺らしながら、必死に汚い俺を受け入れる。だって拒むことができないからだ。
けどその睫毛を濡らす滴も、抱かれる理由も、俺ではない人のためのものなのだと思うと、言いようのない怒りと悔しさが混ざった暗い感情が胸の奥底で焼け付いた。醜い嫉妬の火種はちりちりと燃えながら俺を侵食していくのだ。

遊海の心は俺を見ていない。その事実に俺の身がささくれ立つ。
なあ、俺に抱かれている時くらい、俺のことを見てくれよ。

「遊海が毎晩こうして俺とセックスして善がってるなんて、鬼怒川さんが知ったらどう思うかなあ…?」
「っ!? や、やめ…!っ」

我ながら酷いことを言っているなとおもう。遊海がいちばん触れてほしくない、心の裏の柔らかい場所に爪を立てて掴んでいるような感覚だ。遊海は俺の言葉に効果音がつきそうなほどわかりやすく凍りついてから、目を見開いた。その拍子に目のふちから涙が零れる。やっと遊海が俺を見てくれた、という歪んだ喜びに身を浸しながら俺はほくそ笑んだ。

「…言ってほしくないよね?」
「や、やだ… やだ……っ!それだけは……!お願い…!」

俺が次に口にしようとすることにすっかり怯えきって、こちらを見上げながら必死に俺に縋ってくる遊海が、かわいそうで愛おしくてたまらなかった。また涙の粒がきらきらしながら頬の上を滑っていく。泣きはらして赤くなった目元が痛々しい。
俺はかるいキスをひとつだけその小さな唇にしてから、優しく微笑んで言葉を紡いだ。

「…大丈夫、こんなかわいい遊海を俺以外のやつに教えたりなんかしないから…」

なめらかな濡れ羽色の髪を指先で梳いてやったら、遊海は安心したようにまぶたを閉じた。次にかたくなに俺の浴衣の袖をつかむ指をほどいて、俺の指と絡め合わせる。細い指先を縁取るさくら色の爪は可憐で、俺と比べたら14歳の男子、というには些か頼りないなと思った。








(君と俺を、)

赤い糸でつないで

(いつまでも、俺のそばにいてよ)
(ほんの一瞬でも、俺をみてよ)
(この思いが叶わないなら
すこしでいいから、夢をみせて)





いずゆかです
俺得です
最低な下衆奏秋たまりません





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