いつも変わらないプログラミングされたメッセージと、子どもに好かれるかわいらしい外見。自社のLBXの売れ行きを伸ばすために生み出されたマスコットキャラクター、オメガくん。
だけどそんな彼に、皮肉にも淡い恋心を抱いてしまった一人の青年がおりました。LBXプレイヤーとしてかなりの腕をもち、主人公であるバンたちの前に度々立ちはだかる風摩キリトです。
いつもバンやジンたちに全く相手にされず一人で様々なところをぶらぶらと歩き回るキリトは、バンたちを追って訪れたオメガダイン社で偶然オメガくんと出会ったのでした。

キリトがフロアーを歩き回っていると、視界の先にたくさんの子どもに囲まれて楽しそうにおしゃべりするオメガくんがいました。もちろん最初からキリトはそんな在り来たりな風景に心動かされたりしません。安っぽいパフォーマンスに吐き気すら覚えて、早々に立ち去ろうとしました。ところが。

「やあ、僕はオメガくんだよ!君もLBXが大好きなのかな?」

なんとオメガくんがキリトを呼び止めたのでした。どうやらキリトが手にしているLBXを目にして声をかけたようです。

「はぁ…?」

わけがわからず怪訝な表情でオメガくんを見上げるキリト。近くに来たオメガくんの予想以上の大きさに少しだけ怯みながらも、嫌悪感をあらわにするのは忘れていませんでした。

「ここにいるってことは君もLBXが好きなんだよね?僕はそんな子たちとお友だちになりたくてこうして話しかけているんだ!」

寄ってくる子どもたちを撫でながら、優しくキリトに話しかけてくるオメガくん。

「…まあ、嫌いじゃねえけど」

友好的なオメガくんに毒気を抜かれ、ぼそりと照れくさそうにキリトは答えました。それを聞いたオメガくんは大きな手でキリトの頭をふわりと撫でました。

「そうなんだ、じゃあこれからはもっとLBXを好きになれるといいね」

そうひとこと言うと、オメガくんはキリトから背を向けて子どもたちと共に人の波にゆっくりと消えていきました。
その背をぼんやり見送りながら、キリトはオメガくんの意外な行動に不思議な気持ちにさせられていました。こういうキャラクターのことだ、LBXを好きになるよう無理に勧めてくるに違いないと思っていたのに。
プログラミングされた言葉とは思えないような意志を持ったあたたかなオメガくんの言葉は、キリトの心に優しく響いて、いとも簡単に恋へと落としてしまったのでした。





ついったで盛り上がり勢いのまま書いてしまったオメガくん×キリトです…
まさに狂気の沙汰





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