きっと白竜は、こういう情事にはいつまでも慣れることが出来ないタイプなんだろうと思う。何度唇を重ねても、耳朶を優しく食んでみても、いつだって瞳を潤ませながら頬を赤く染めて、初々しい反応をくれる。
険しくつり上がった目尻が、僕の睦言や指先でふにゃりととろける様子は、何回見たって飽きることがなかった。
今日もまた、慈しむように白竜に触れてみる。

「っ、シュウ…!」
「なあに、白竜?」
「くすぐったい…」
「うん」

やわらかい髪を耳にかける。あまり温度の高くない僕の手のひらがするりと白竜の顔の輪郭を包むと、白竜の頬の熱さがじんわり伝わってきた。白竜の赤い瞳をじっと見つめる。不思議そうな顔でぱちぱちとまばたきを繰り返して、僕を見つめ返してくれる白竜はなんだかかわいらしい。新雪のように白い肌がより瞳の赤を引き立てるらしくて、きらきらと細かな光を反射するところは、真っ赤に熟れたりんごを連想させた。
ふと、舐めたら甘いのかなあなんて、突拍子もないことが頭に浮かぶ。普通に考えてそんなことはあり得ないけれど、やってみて結果が確かめられなければやっぱり納得しない。一度湧いた好奇心は、真実にたどり着けない限り消えないのだ。

「白竜、目、開けててね?」

ひとこと、釘をさしておく。
まだよくわからないという顔をしながらこくりと一つ頷く白竜を視界の端に捉えてから、白竜の綺麗な真紅の瞳をぺろりと舐めてみた。途端に白竜の肩が跳ねる。

「な…!なにす」

言い終わる前に唇を優しくふさいで、文句は飲み込んだ。ごめんね白竜、僕のわがままにもうすこしだけ付き合って。
もう一度、ざらついた舌の表面が白竜の目をなぞる。やわらかくて、濡れていて、想像してたより少ししょっぱい。白竜の涙の味だ。
舐めるたびに白竜が身体を小さく震わせて悩ましげな声をあげる。いつだったか、眼球にも性感帯があるとか聞いたような気がするけど、あながち嘘じゃないのかな。

「ん…っ いた、ぁ…!」

ぞくり、背を駆け上がるいやらしい感覚。白竜の目を夢中で舐めながら、手を白竜の股間へ持っていった。すでに存在を主張し始めているそれに自然と口角が上がる。こうなったらもうあとは溺れていくしかなかった。何度となくなだれ込んだ淫靡な行為が思い起こされる。どうやら僕はとんでもない媚薬を見つけてしまったみたいだ。





こぼれ落ちた真紅(それはひろった僕のもの)







白竜くんの目舐めたら甘そう!
って実行してみるシュウくん





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