「…ねえ、キスしようよ、白竜」
「…な、っ!?なんで、そ んな、いきなりっ」

僕の唐突な物言いに慌てて、赤いきれいな瞳を真ん丸に見開く白竜に近付いて、すべらかな頬に指を添える。了解なんて得ないで、すこしあいている桜色の唇に僕の同じそれを重ね合わせた。

なんで、とかそんなもの今更だ。
いつも周りを見下したような態度を取っているくせをして、僕の前でだけはやわらかく笑うところだったり、色恋にはちっとも免疫がなくて、僕の言葉や触れる指先ひとつひとつ全てに頬や耳を赤らめて、普段は自信に満ちてる赤い瞳が恥ずかしそうに蕩けるようなところだったり、時折絡めてくる指が案外細いところだったり、こうしてキスをするときに伏せられる白銀の長いまつげが震えているところだったり、僕と比べると大人びた外見だけど味覚は子供じみていて、甘いチョコレートを好んで食べるところだったり、とにかく、全部。
僕にだけ見せる、白竜の色んな表情や仕種のぜんぶが愛おしくて、かわいいから、こうしてキスをするんだ。

なんて、何があっても言葉にはしないけれど代わりに、このキスで、僕から白竜への気持ちを全部伝えたいと思うんだ。





キスをしようよ



(どれだけ伝えても足りない、君へのいとしさ)





映画見に行く前に書いたので
白竜くんのキャラがやぶてんの
ゴッデン時代基準です…




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