パートナーたちの皮膚を指先でなぞった。

思ったよりもゴツゴツしているのだと初めて驚いたのはいつだっただろう。私の考えている以上にかれらの皮膚は固いのだと、私はその初めてのときにきちんと学習したはずなのだけれど、今でも触れるたびにぞくりとしてしまう。いつまでたっても修正できていない。ポケモンは、ドラゴンタイプは、優美で屈強で勇ましいのだ。

対して、かれらの突起に躓きながらもすべっていく私の指先はいつまでたっても頼りない。痛覚さえないんじゃないかなんて、そんな錯覚がするくらいに。
昔はただ漠然と、大人になったらすべて上手にこなせるようになるのだと思っていたのに、どうだろう。からだばかりが大人になって、中身は思うように成長していない分、体のところどころがすかすかな気がしてしょうがない。 指先が、きっとそれだ。


イブキがいるから、俺は安心してチャンピオンをすることができるんだ。


先日久しぶりにフスベシティにもどってきた従兄はそう言って笑っていた。お前がいるから、一族のいる愛しい故郷を任せていける。それって、とんだ傲慢だ。
私がいるから彼は離れていくのだろうか。彼に認めてほしくて強さを求めてきたけれど、強くない私ならワタルは故郷に留まってくれただろうか。私の気持ちはどこにもない。どこにもおいてもらえない。




【ひどくせかいはひどい】






Title.SAKU SAKU
20140512



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