彼の金髪がすき。
ナギサの太陽にきらめくそれがすき。
彼の嘘みたいにきれいなうなじにかかるのを見た日には、なんだかくすぐったくて可笑しくてしょうがない。


「寒いな」
「そうですね、とても」


ぴゅうう、北風が吹く。シンオウの冬はアサギ生まれのミカンに優しくない。こういうときはすこしだけ、あのあたたかな海とあたたかな灯台のある故郷に飛んでいきたくなる。

隣のデンジは久方ぶりにジムの外に出たのもあってか、いつの間にかすっかり幅をきかせている寒気にぶつぶつと不満をこぼしていた。鼻のあたまが赤くなって可愛らしい。


「早く夏が来ねえかな」


灰色の雪雲と真っ青な水平線を見て彼が言った。同じ気持ちだと伝えたくて、手袋をした指はデンジの手に触れた。




【とおい夏日】



あなたに恋した季節をまってる。






20140120



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