◎お風呂たいむ/🐺🐇パラレル


アルカヴェ/ケモノてきな何か/狼🌱と兎🏛です/パラレル/掌編です。


 お風呂は好きだ。カーヴェはふんふんと甘い香りを漂わせる。入浴剤は花の香りだ。アルハイゼンはハーブ系を好むから、この香りはカーヴェだけのもの。アルハイゼンが実はこの香りがするカーヴェを気に入ってることを、カーヴェは知らない。
 尻尾や耳まで。全身洗って、湯船に浸る。ほう、と息を吐いてリラックスする。
「あした、アルハイゼンが帰ってくるのかあ」
 ちょっとした出張だと言っていた。また砂漠で遺跡調査、だったりしたら今度こそ怒ってやるぞ。カーヴェはぷうぷうと怒る。足をたしたししてしまって、湯が揺れた。わっとあぶない。
「でも、好物ぐらい作ってやるか……」
 キッシュは熱くなければ嫌いではない。お肉も、好き好んで食べないだけで、見るのも嫌、とかではない。ただ、生肉を触るとぞわぞわする。ちょっと怖い。これはもう被食者たるウサギの本能である。
「早く明日にならないかな」
 番で夫のアルハイゼン。僕のだいすきなオオカミ。カーヴェはぽぽぽと頬を赤らめたのだった。


06/24 21:33
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