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 2016.01.25.Mon:01:08

第20回フリーワンライ企画様へ提出作品
お題:探す/夢オチ(オチ指定)/おめでとうは言わない/神話/星に手をかざす
ジャンル:オリジナル
タイトル:晴天の昼
#深夜の真剣文字書き60分一本勝負



 霧がゆったりと流れ込むような、微睡みへと。
 頭上には沢山の星々が煌めく。神話の時代というものがあると聞いたことを思い出し、そっと空を眺める。その時代はとてもとても遠い昔で、きっと星の輝きすら違う世なのだろう。手をかざせば、その頃に見えなかった星が隠せたのだろうか。
 ゆらゆら、星空を見ていると貴方の思い出した。気まぐれでくるくると笑う、おめでとうを言わなかった貴方の様な星があるだろうか、なんて気障ったらしい事を考える。けれどその思考を遮るものは何も無い。ここには草の生えた地面と星空しか、無い。
 水飛沫が跳ねるように、星達が動き出す。速いそれはまるで流星群だ。落ちるのではなく、彼らは嬉しそうに動いていた。ぶつかって弾けて、散らばって、また跳ねて。だけど眩しくも酔うこともなくて。綺麗だなと霞む思考で考えた。

 太陽光、朝日。瞼を開くと空が見える。晴天。風が吹く。少し寒くなった風は秋の風。起き上がるとフェンスが見えた。嗚呼、今日もこの屋上は平和だ。足を立たせる。その足元に青々しい草原が見えたような気がした。



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