◎恋とお砂糖
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グラハウ/診断からタイトルをお借りしました
恋は砂糖菓子のように。
例えばね、おれがずっとグラジオのことを好きだったとしたらどうするの。
そんなことを聞かれて、グラジオは頭を捻る。
「ハウはそうだったのか」
「さあ、どうだろー」
でも少なくとも、グラジオよりは後だったよ。そうふわりと笑うから、グラジオはそうだろうなと笑った。
「まだ出会う前の、一目惚れだったからな」
「流石に出会ってない人を先に好きになるなんて出来ないからねー」
じゃあさとハウは続ける。
「恋したほうが負けってやつはグラジオが負けなのー?」
「そうだろうな」
今だって執務中なのにハウを部屋に入れてるんだからと、グラジオは書類を作成しながら告げた。
ハウはその様子をココアを飲みながら見ていたが、なんだかなあと呟いた。
「どうした」
「ううん、何でもないよー」
その顔は何でもなくはないだろうとグラジオが言えば、ハウは何でもないよと繰り返し、告げた。
「グラジオって砂糖菓子みたいだなあって。ね、大したことじゃないでしょー」
「……なんだそれは」
途端に理解に苦しむという顔をするグラジオに、ハウはハハと笑った。
「だってグラジオはとっても甘いだもんー」
「そうかもしれないが」
「後ね、砂糖菓子ってとっても綺麗なんだよー」
ハウが前に食べさせてもらったという砂糖菓子。スミレの花を砂糖でコーティングした、夢のようなお菓子だった。嗚呼、あのお菓子はとーちゃんからのお土産だったなと呟いたが、ハウはゆるく頭を振った。
グラジオは綺麗だから、ほら、やっぱり砂糖菓子みたい。
ハウは笑っている。その言葉にグラジオはあのなとため息を吐いた。書類を書く手は止まっていた。
「それならハウのほうが綺麗だろう」
「えー、そんなことないよー」
「見た目だけじゃなくて、心がとても綺麗だ」
なあシルヴァディとグラジオが足元のシルヴァディに声をかければ、こくりと頷かれる。なにそれーとハウはケラケラ笑った。
「全然綺麗じゃないのに」
「オレよりずっと綺麗だろう」
むむむと眉を寄せ始めたハウに、ココアが覚めるぞと告げて、グラジオは書類仕事へと戻った。
その顔を見ながら、やっぱり綺麗なのになあと甘いココアを一口飲んだのだった。
08/13 23:31