アルカヴェ『それは信仰ではない』や一次創作『女王の選定』のネタバレなので追記にて。セラとユラの話です。


セラとユラは記録上は双子だけど、創造主たちと世界たちからしたら他人なんだよなあ。

ユラは純正の人間なので、セラを本当に家族として愛している。近親恋愛じゃなくて、尊敬する姉!として見ている。女王の選定では愛情がひん曲がってしまったけれど、双子として健全な家庭に育ったら真っ当に姉と喧嘩もするが尊敬もしてる普通のガキ(褒めてる)です。

ユラはさあ、本当に、ずーーーっと報われない。どれだけセラを家族として愛しても。セラは創造主スミレとなった時点で人間としての心が壊れた。何度も何度も繰り返して、ユラはセラに手を伸ばし続けるけど、スミレになったセラは「バカだなあ」って利用する。

セラはスミレになって、人間の心が壊れて、世界の存続だけを使命とする。本当に模範的な創造主ではある。スミレになる前、普通の女の子として生活してたセラもいるんだけどね。もう、跡形もないですけども。

ユラとセラは運命の双子とか、そういうのでもない。二人に運命はない。ユラがなんとか縋ってるだけ。可哀想。

セラというかスミレというかの運命はなんなら世界(銀色の巨狼)ですので、ユラはBSSすら許されない。スケールが違いすぎる。ユラが家族として立てる土俵なんて1ミリもない。それでも信じてるのは、ひとえに、ユラが人間だからです。どれだけ心が狂っても、罪を犯しても、それでもユラは人間だから、セラという希望を持ち続ける。

セラもユラも罪人です。ふたりのしたことに何のフォローもできません。でも、セラは世界の存続という多数の生命の生存のために大局を見てるし、ユラも愛がある。二人は他人だけど、一度だけ交わった人生が、今に続いてる。

もしも、創造主も異能もない、ごく普通の世界で双子として産まれていたら、それは桃源郷のように幸せなはなしだっただろうなあ。
2024/03/17 18時03分

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