!恋愛未満!
!捏造!
赤に青に、緑に紫。カラフルな彼らのことが好きではなかった。けれど過ごすうちに僅かに情が湧いたのだろう。少しだけ守ったり、少しだけ協力したり。けれど黄色が入ってきたら俺の居場所は無くなった。強制退部を告げられた。黄色への情なんてまだ無くて、ただカラフルな彼らと会えないと思うと僅かに寂しく思った。そしたら髪の色がどうにも気になるようになった。主に、自分の灰色の髪が。
カラフルな彼らと同じように名前に色がついて、髪もその色と同じ。何とも言えぬ気持ちになる。彼らのことは好きではない、彼らへの情。混ぜこぜになった思考で、俺は髪を染めた。
真っ黒に染まった髪を見て、俺は口角が上がるのを感じる。
嬉しい
確かにそう感じた。
色を捨てた灰崎くん
(それはもう戻らないということ)