▼ 都合の良い夢を見る
Apr 1, 2015(Wed.) 22:39
プラフラ/都合の良い夢を見る


 ねえ、優しい話をしよう。
 くだらないと笑うかな、けれどねそれはとても大切なことだよ。
「笑うことも泣くことも大事なことさ。」
「それはそうかもしれないが。」
「そういうものさ。さあ、何の話がいいかな。」
 今朝のコーヒーが美味しかった話かな、オムレツが焦げてしまった話かな。デクシオとジーナが旅立った日でもいいね。
「フラダリ、きみはどんな話を聞きたい?」
「……貴方は、あまりに回りくどい。」
「嫌だなあ、本心だよ。でも、それを言うならきみだってそうじゃないか。」
「貴方が、」
 言い淀むきみに不思議だなと思う。打てば響くように返答が返ってくるのがきみだったのに。
「貴方が笑えば、私はそれで。」
 そう言って悲しみの色を目に帯びたきみに、僕はどうすればいいのか。
「きみはやっぱり残酷だ。」
「そんなのは、貴方の方だ。」
 嗚呼、なんて都合の良い夢だろう。



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