ああ、あなたはどうしてそんなに、


学校の授業の終わりを告げるチャイムが学校中を響かせた。嬉々として立ち上がり帰り支度をする所謂帰宅部や、各々部活をする場所へ足を運ぶ者と同じように俺も、いつもの様に小春と共にテニスコートに向かう。

今日はとても、あつい。
テニスコートが灼熱地獄のような雰囲気を漂わせている。
そんなテニスコートの上でただひたすらに汗をかき、走り続け、仲間と青春を謳歌しているような光景が毎日そこにある。飽きはしない。今もこれからも。
そんな青春も一旦終わりを告げ、部室に戻り、各々帰り支度をする。そんな中彼は仲間から抱えきれないぐらい沢山の物を貰っていた(勿論、彼を狙う女子からの物も紙袋に入っているし、一氏の分もある)。今日は彼の、財前光の誕生日だ。


「ユウジ先輩。」
「ん?なんやモテ男!小春からも貰いよってからに!自慢しに来たんかいな!」
「アホか。一緒に帰りましょ。あ、今日は公園寄って下さい。」
「お、おう。でもお前荷物重ないか?」
「ユウジ先輩も持って下さいよ」
「ハァッ!?・・・まぁしゃあないか・・・・」
「ありがとうございます。ほな、行きましょ」


お疲れ様〜、と軽く挨拶を交わし、部室を後にする二人。二人は公園に着くまで他愛のない話をしながら歩く。途中、財前が善哉が食べたいと言ったので誕生日ということもあり、行き着けの甘味処で奢ってやった。
やっと公園に着いたかと思えば財前はとくに何をするでもなく、ただベンチに腰掛け、ずっとこちらを見つめてきている。正直、気恥ずかしい。


「なんやねん・・・誕プレならさっきあげたやろ・・・・」
「あぁ、あれありがとうございます。ほしかったアクセやからむっちゃ嬉しかったッスわ」
「そうか。なら良かったけど。で、なんでまだ見てくんねん」
「んー、まぁ、可愛いなと。」
「死ね」


酷いッスわ、などと大してそうも思っていない言葉を口にして笑っている。
言われた本人は耳まで真っ赤になってしまった。


「耳赤・・・・」
「うっさいわ!見んなやボケ!」
「見るなと言われたら余計に見たなるんが人間の性ッスわ」


そう言って顔を覗き込む。するとそこにはシャイな彼の真っ赤な顔があった。


「可愛・・・・」
「どあほ!!!もう善哉買うたらんからな!!!!」
「それは勘弁して下さい・・・俺ホンマに死んでまうで・・・・」
「お前なんか死んでまえ!!!!」
「俺が死んだら泣くくせに」
「泣かへん!!てか泣いたらへんわ!!!」
「ヒド・・・・。ま、えぇもん見れたし。帰りましょか」
「え?あ、おう。」


そうして帰り道をトボトボと歩く。
次第に別れの時間が迫ってきていて。


「あ。」
「なんスか?」
「財前!いや、光!」
「なんなんスか・・・」
「好き、やで!誕生日おめでとう!」


不意打ちにも程がある。
適当に返事をしたが、きっと顔はこれでもかと言うぐらい真っ赤だろう。

やっぱり今日はとても、あつい。

















-ああ、あなたはどうしてそんなに、-
(もっかい。最初のとこだけ。)
(誰が言うたるか)
(ホンマ、ユウジ先輩のそういうとこ可愛ないッスわ)
(黙っとけ!)
((いちいちキレんの、可愛いわ))






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