「…疲れた」
机に突っ伏しながらついさっきまで書いていたノートに目を通す

私が入った頃と比べても、みんなの身体ができてきているのがわかる

「…さすがはリコ、よく考えられてるメニューだよね…ッ!?」
ふいに頬に冷たいものを感じて、隣を見ると缶ジュースを手にしたまま立っている俊くんがいた

「俊くんっ」
「さゆ、頑張りすぎ」
「みんなに比べたらまだまだだよ、私なんて」
そう言いながら渡された缶を開けた

「さゆに倒れられたら俺が困るんだよ」
「じゃあ、迷惑かけない程度にちょこちょこ休ませてもらいます」
そう言うと、優しく笑った俊くんに頭を撫でられた。
それを少しくすぐったく感じながらジュースを口に含む

「…あ、」
「ん?な、に…」
俊くんの声に反応してそっちを見ると、ふいに唇が重ねられた

「…ッ!!」
「甘い」
ペロ、と唇を舐めた姿が妙に色っぽく見えて、顔が赤くなっていくのが自分でわかった

「さゆ、顔真っ赤」「俊くんのせいだからっ」

−翌々日
「みんなーっ!決勝リーグ出場校全部でたわよ!!」

Aブロックは誠凛
Bブロックは桐皇学園
Cブロックは鳴成
Dブロックは泉真館

この4校で代表を争うことになるんだけど…

…どこもわかんない。後で調べなきゃなー…

なんて考えていると、

「思ったんだけどさー。その王者2校も倒したわけじゃん
今年はもしかして…行けちゃうんでないっ!?」

小金井くんが目を輝かせて言い放った

「だって桃井ちゃんと青峰がいる王者に負けても残り勝てば…」
「…泉真館じゃないわ。あの2人が行ったのは、桐皇学園よ」
「ええ!?」
「『キセキの世代』ってみんな有名なトコ行ったんじゃないの?てっきり緑間みたく王者の所かと…」
「桃井ってコの制服見て調べたし、確かよ」
「聞いたことねーよ正直!!」

リコの言葉に部員全員がどよめいた

泉真館は当然強いわけで…
小金井くんみたくはしゃいでる場合じゃないわけね…
「ウィース!!」
「あ、火神くん」
「すっません、ちょっと掃除長びいて…」
「はい、リーグ表のコピー」
「ちょいまち」
「え?」
火神くんに渡そうとしたプリントをリコに取り上げられた

「…火神くん、バスケ…した?」
「え…いや」
「悪化してない…?」
「いやーその…ちょっと、」
その返事を聞いた瞬間、

「こんのっ…バカガミがぁあっっ!!」
「すんまっだだだっ!!」

リコが火神くんの頭を鷲掴みした

「あっれっほっど!言ったろーが!!
その耳は飾りか!空いてんのは穴か!?ただの!!」
「いてててっ」
「とりあえず保健室でシップもらってこい!!今日は見学!!ダッシュ!!…はムリだから!逆立ちで行け!」
「えっ!!」

「ったくもー」
「リコ、落ち着いて…」
「火神くんが不可欠だから怒ってんのよ
『キセキの世代』に対抗できるのは彼だけだからね…」
キセキの世代に、ってことは…

「初戦は桐皇学園!!いきなり大一番よ!!」



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