「やだ…」

ここまで来て負けるなんて…ッ

緑間くんが構えたのを見てみんなに絶望の色が浮かんだその直後、

「ああああっ」

火神くんが跳んだ

でも、緑間くんは構えを1回戻した

あと2秒のいまフェイク!?

「決めろ緑間ァ!!」

秀徳から声が上がり、再び緑間くんがシュート体制に入る

「ボクも信じてました。火神くんなら跳べると
そして、それを信じた緑間くんが一度ボールを下げると」

ラスト1秒

黒子くんが緑間くんの後ろからボールを弾き、試合終了のブザーが鳴り響いた

「試合…終了ー!!」

審判の声が響いたと同時に涙で目の前が霞む

「、リコぉ…ッわぷっ」
隣で同じように涙ぐんでいたリコに抱きついたら、思いっきり腕を引っ剥がされた

「なんで!?」
「彼氏に抱きついてこいっ」
そう言ったリコの視線は挨拶をしている俊くんに向いていて、顔が一気に熱くなったのを感じた

「ん?」
書き忘れがないか試合表を確認していると、ポケットで携帯が震え出した

「リコーちょい出てくんね」
「えー…また海常の人?」
「今から帰るみたいだから挨拶してくる」
怪訝そうな顔をしたリコと荷物をまとめていた俊くんに手を振って急いで会場の入り口に向かう

「意外ね」
「なにが?」
「伊月くんがさゆを止めないの
普通嫌じゃない?彼女が初恋の相手に会いに行くなんて」
「初恋!?」
「あら、さゆの初恋の相手よ?あの海常の主将さん………今は伊月くんらぶだけどね」

カントク絶対楽しんでる

部員の誰もが思った瞬間だった

「幸ちゃん、黄瀬くんっ」
「おーさゆ」
「さゆさん、お疲れ様っス」
「来てくれてありがとね」
そう言いながら途中で買った飲み物を2人に渡す

会場スッゴい熱気だったしね
観てる方もノド乾いてきちゃったよ

「あ、幸ちゃんに教えてもらった知識役に立ったよ
ありがとー」
「…それは別に構わねーけど。さゆ」
「うん?」
「お前、秀徳のやつに同級生だと思われてたろ?」
ぐさっと何かが刺さった気がした

確かに、高尾くんに間違えられましたよ?でもさ、

「なんで今言うの!?忘れかけてたのにっ」
「なんかさゆ見てるとからかいたくなるんだよな」
「好きな女の子いじめる小学生っスか!?」
黄瀬くんは呆れたようにため息をつくと、

「大丈夫っスよ、さゆさん

女の子は小さい方が可愛いですからっ」

スッゴい爽やかに言い切った

「っ小さい言うなぁ!!」

ベッと舌を出してその場から離れる
海常って人をバカにする趣味のある人ばっかなわけ!?

「…笠松先輩」
「なんだよ」
「さっき言ったこと訂正するっス」
「は?」
黄瀬はどこか楽しそうに口角を上げると、

「俺が好きな女の子をいじめるタイプみたいっスわ」

さゆの後ろ姿を見ながらそう言った



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