キュッ
「ええ!?なんだアレ!?」
もらってから投げるまでがめっちゃ速いんだけど!?
「水戸部行ったぞ!!」
日向くんの言葉に続いて水戸部くんがブロックにつくが、
バチッ
「ファウル!白10番ッ」
岩村さんから津川くんに回り、津川くんがシュートを決めようと構えたところに火神くんがファウルをしてしまった
てかもう3つ目!?
「動きが速い、っていうよりモーションが少ないのも古武術の動きなの?」
「えぇ。構えないで投げてるカンジね…」
「火神くんの得点でエンジンかかったと思ったんだけどなー…あっ」
「え?なによ、さゆ」
「ちょっと面白いこと思いついちゃったっ」
誠凛6の正邦15か…
チラ、と得点を横目に見ながらリコに思いついた内容を囁く
「さゆ、ナイスよッ」
リコはニッと笑って、黒子くんと俊くんに手招きをした
「わかりました」
「りょーかい」
元気よくコートに戻って行く2人を見てリコと顔を見合わせる
「あの茶坊主ムカつくからコテンパンにしてくんないかな」
「え、さゆ…目が笑ってないんだけど…」
気のせい気のせい!と笑ってコートを見る
うーん…ずっとベッタリだなぁ…
そんなパスコースを正邦が防いでいる中、俊くんがパスを回す
バチッ
「よしッ!!」
上手い具合にDFの裏から黒子くんが水戸部くんにパスが回った
そして綺麗に決まったシュート
これで
誠凛 8
正邦 15
「なんだ今のパス?ブーメランみたいに戻ってきた…!?」
「戻ってねーよっ誰かがタップして向き変えたんだよ!」
「だれ?」
「…さぁ?」
あー…やっぱり見えてなかったんだ
「いくら鉄壁の正邦DFも壁の内側からパスされたことはないでしょ」
「まあまあ落ち着きんしゃい〜…」
すとんっと力んだ感じがしないのに、春日さんは速く動いてシュートの構えをした
バコッ
「たっか…ッ!!」
火神くんは構えた春日さんのボールをブロックした
バシュッ「入ったッ!!」
日向くんのシュートが入った瞬間、
「第1Q終了〜!!」
審判の声が響いた
「どう?リコ。壁を越えた感想は?」
「文句なしにサイッコーよッ」
ガッツポーズをしたリコを見て思わず口元が緩む
んじゃ私は作戦でも考えますかッ