I・H予選5回戦
対白稜高校

「行け行け誠凛!」
「押せ押せ誠凛!!」
どちらも83点

お互いの学校の応援にも気合いが入る

「伊月くん!?」
白稜の8番の人と接触した直後、伊月くんが倒れた

ピピピッ

「レフェリータイム!!」
「伊月くん、交代…ッ」
「大丈夫、あと2分ちょいだろ?」
「でも…」
「鶴もよく足つるらしいし」
「大丈夫だ!行くぞ!!」
「すいません審判、再開お願いします!」
「キビし!」
遠慮なく再開を求めたみんなに苦笑いが漏れる
…とは言っても、

「やっぱ1日2試合はキツいよね…」
「えぇ、みんな相当疲れてるわ」
リコとコートを見ながら呟く

「だアホ!!全員声出てねーよ!!疲れてんのは相手も一緒だ!!
おとなしくなる前にもっとマシな言いワケ考えろ!!どいつもこいつも草食男子かバカヤロー!!」
「草…!?おう!!」
日向くんの一声でメンバーに志気が戻る

やっぱクラッチタイムの日向くん頼りになるなぁ…

ゴッ
「あ…ッ」
小金井くんが打ったボールがゴールにぶつかって落ちる

ポンッ…そこをすかさず火神くんが押し込んだ
「うおお決まった!!」
「押し込んだぁ!!」

ピーッ
「試合終了ー!!」
観客が湧いた直後に響いた笛の音

誠凛 89
白稜 87

2点差でI・H予選を誠凛は通過し、準決勝進出が決まった

「伊月くん」
「なに?さゆ」
「リコが今から視聴覚室集合だって」
お昼を食べ終わってから伊月くんに今届いたメールを見せる

「視聴覚室?」
「正邦のDVD見るみたい」
そう言ってリコに
『今から伊月くんと向かうね』
と返信をする

「そういえばさ、」
「ん?」
携帯をポケットに入れて伊月くんを見る

「さゆっていつまで名字で呼ぶわけ?」
「え?」
「もうクラスのヤツらも部員もみんな知ってるし…
名前で呼んでほしいんだけど」
「いや、でも…」一回名前で呼んでめっちゃ恥ずかしかったんですよ…

「さゆ」
「い、伊月くん…近い…ッ」
当たり前のように顔が近づいてきて伊月くんの肩を押す

いくら屋上の陰でもいつ人がくるかわかんないから!

「名前で呼んでくれないなら今度みんなの前でキスするよ?」
「な…ッ!?」
「嫌なら呼んで?」

っ首傾げる仕草がこんなに似合うなんてズルいッ!!

「し、俊……くん」
「…くん、はいらないけど…まぁ、いっか
じゃあ、早く行こっか」
俊くんはそう言って小さくキスをして手を握りしめてきた

結局キスするんじゃん!
…と思いながらも
口に出せないんだから結局私も同じなんです

「…うーん」
リコに怒られながらも観たDVDは、

さすが王者

と言える内容で

「わかってたことだけど…正直やっぱキビシーな」
「てかスンマセン、泣きたくなってきました」
俊くんに続いて半泣き状態な小金井くんが小さく手を上げて言った 「ハッキリ言って、正邦・秀徳とも10回やったら9回負けるわ
でも勝てる1回を今回持ってくりゃいーのよ!」
「…あのさ、作戦ってほどじゃねー…けど1つ思いついた…」
日向くんの言葉に、私の頭にも浮かんだ案

「私も、1つだけ」

小金井くんみたいに小さく手を上げて口を開いた



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -