「黒子くんがスターター?」
「黒子くんには時間制限があるでしょ?
シックスマンとして戦況見て出してくって言ったじゃない」
「お願いします」
…なんかめっちゃ血走ってるんだけど

「いいんじゃない?リコ。黒子くんがスターターでも」
ね?と首を傾げて言えば

「ま、初っパナからカマすのも嫌いじゃないし…
いーわよ!…ただし、いきなり切り札見せつけるんだから中途ハンパじゃ逆効果よ
第1Qで最低10点差はつけなさいよ!」

と言った

「それではこれより誠凛高校対新協学園高校の試合を始めます!」
「しゃす!!」

「お父さんおっきすぎ…」
「さゆが小さいってのもあるわよ」
「…泣きますよ?」
小さくても一生懸命生きてるんだッ

「うおッ!?」
火神くんの声で試合に集中する

てか、高さで火神くんが負けた!?

「おおっまずは新協ボールだ!!」
キュッ
「させねーッ」
ノーフェイクでジャンプシュート!?
お父さんは火神くんより高く飛んでシュートを決めた

「来たぁッ高い!!」
「先制は新協学園だ!!」

なに、あの高さ…ッ
「ドンマイッ取り返すぞ!!」
日向くんが伊月くんに回し、再び日向くんに回った

「フリー!!いけるッ」
思わず出た声に驚きつつも日向くんを見る…が、

バチッ
「マジかよ!?」
遠い場所にいたはずのお父さんが当たり前のようにブロックをした

「デタラメだろ、あんなの…
やっぱりズリーよ外国人選手なんて」
1年生がお父さんを見て呟いた
うーん…
ルール違反してないからズルくないんだよね…

キュッ

誠凛 3
新協 8
もうそろそろくるかな

ガンッ

「落ちた!!リバン!!」
お父さんのシュートがゴールの縁に当たって跳ね返った

「そう簡単には入らないわよ。なんたって…
火神くんがお父さんに自分のプレイをさせてないからね!」
「自分のプレイを…?」
「届かなくてもやり方はあるからね。水戸部くん直伝の」

やりたいことをさせない
行きたいとこへ行かせない
そうやって相手の苦手な態勢に追いこんで
プレッシャーをかけて楽にシュートをさせない
そうすれば、もし届かなくても
…ガンッ

「またダメだ!!さっきから全然だぞ!?」
「全然入んねーし、外国人っても大したことねーな」

よしっ入らないッ!!

観客の気持ちとは反対に嬉しくて思わず笑顔になる

「また外した!!」
「ナんだヨもうッ!ムカツク!!」
「クサるなよ。ブロックされてるワケじゃねーんだっDF!!」

「嬉しそうね、さゆ」
リコがニコニコしている私の頬をつついて言ってきた

「そりゃ嬉しいよ、だって…」

ガンッ
火神くんのダンクを見て再び頬が緩む

「初めて私が指示した内容がこんなに役に立ててるんだもん」



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