「うわぁあぁあああ!!」
「誠凛が!?勝ったぁああ!!」
観客が一気に盛り上がる

「リコッみんな勝ったよッ!!」
ギューッとリコに抱きつきながら言えば、頭を撫でてくれた

「黄瀬泣いてねぇ?」
「いや、悔しいのは分かっけど…練習試合だろ、たかが…」
観客の声に反応して黄瀬くんを見れば、必死に涙を拭っていた

そっか、黄瀬くん…

「っのボケ、メソメソしてんじゃねーよ!!」
「いでっ」
幸ちゃん蹴った!?

「つーか今まで負けたことねーって方がナメてんだよ!!シバくぞ!!
そのスッカスカの辞書にちゃんと『リベンジ』って単語追加しとけ!」
…なんだかんだ優しいよね、幸ちゃん。
黄瀬くんを遠回しに慰めて整列する姿を見て口元が緩む

「整列!!100対98で誠凛高校の勝ち!!」
「ありがとうございました!!」

ショックを隠せれてしない海常の監督と満面の笑みを浮かべているリコ。
…肌輝いてる。

「地区違うから次やるとしたら…I.H本番スね」
「絶対行きます。全裸で告るのやだし」
「?」
真剣な日向くんの言葉に反応に困った幸ちゃんを見て苦笑する

そりゃあ、意味わかんないよね

「さぁーて行くわよッ」
挨拶が終わってからリコが元気良く言った

「あっさゆ、ちょっといいか?」
「え?あ、うん」
リコに断りを入れて幸ちゃんに着いて行く


「幸ちゃんー?」
校舎裏的な場所に着いても口を開かない幸ちゃんに声をかける

「幸ちゃ…「聞いてねぇよ」え?」
「誠凛でマネやってるなんて聞いてねぇんだけど」
あ、そうだった

「いや、すいません。最近幸ちゃん忙しかったから普通に忘れてました」
素直に謝れば、ったく、と言って頭をグシャグシャと撫でられた

「わ…ッ」
「さゆは危なっかしいんだからちゃんと話せよ」
「う…すいません…」
小さい頃からずっと一緒にいて、ずっと守ってきてくれた幸ちゃん

そりゃ好きにもなりますよ…

「あと、」「まだあるの!?」
「あの5番と付き合ってんのか?」
「は!?」

顔が一気に赤くなる。

付き合ってるなんて…ッ
伊月くんに失礼過ぎるッ

「あっ相手に失礼でしょッ!!」
そう言えば、
「…あぁ、なるほど」
何か納得したように頷き、

「ま、頑張れよ」

と言ってもう一度頭を撫でた
…頑張ってるつもりですけど

「んじゃ、俺戻るから。お前も早く行けよ」
「言われなくても行きますッ」
ベーッとを出して幸ちゃんから離れて携帯を出す

『話終わったー今どこにいる?』
『黒子くん探してる!さゆも探してーッ』
「…マジでか」
とりあえずフラフラと道を歩く

見当なんかつかないんだけど…ッ



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