「リコさーんっ私、お暇なのですが」

「話あるから昼休みに来て」
と呼び出して起きながらの放置
…いい加減泣くぞ

「あーもーちょい待って!!
…よーし、やっぱこいつは伸びると思ったのよ〜
育てるってホントいいわぁ〜…」
ホウ…としながら牛乳を飲んだリコを見て、
もうホントに教室戻ろうか
と思った時、

「カントクー!!本入部届けくれ!!」
火神くんが教室に飛び込んできた
…牛乳吹かないでよ。
ムッとしながら2人を見る

「なんなの、もー今日は…アンタも!?」
「も?」
「さっき黒子くんも来たんだよ
火神くんと同じこと言いに」
んで、リコは同じように牛乳吹いてました
…さすがに言わなかったけど

「アイツ…」
「全く、2人そろってどんだけせっかちよ?このワンパク坊やめ!」
「…なんだそれ」
「まぁ、即戦力だし
ベンチに空きはあるから大歓迎よ」
「これで試合に出れんだな!?」
そう言って教室を出ようとした火神くんを呼び止め、

「あーちょい待ち。ただし受け付けるのは月曜朝8:40の屋上ね!」
と笑顔で言った
…え、まさか…

「あっさゆもだから
これ言うために呼んだんだからっ」
そう言って肩を叩いてきたリコに思わず口角が引きつる

だって、確か月曜ってさ…

−月曜日−

「フッフッフッ待っていたぞ!!」
風吹く屋上
そこにいるのは、男子バスケ部監督とマネ
そして、本入部希望の新入生

「つーか忘れてたけど…月曜って、あと5分で朝礼じゃねーか!」
火神くんの怒鳴り声のあとグラウンドを見下ろせば、綺麗に整列している全校生徒

…ちょい待ち。確か去年もなんかあったよ?

なんだっけなぁ…
と唸りながら下を見ていると、

「1−B 5番!火神大我!!
『キセキの世代』を倒して日本一になる!!」

隣で柵の上に立った火神くんが叫んだ
あ、日向くんのスッゴい引きつった表情が見える

「次はー?早くしないと先生来ちゃうよ」
爽やかに言うリコが今は少し恨めしい…

「すいません。ボク声張るの苦手なんでコレ使ってもいいですか?」
「…いいケド」
少し困った表情をしたリコに、黒子くんはどっからか取り出した拡声器を手に息を吸い込んだ
その時、

「コラー!!またかバスケ部!!」

完全にキレている先生たちが屋上に来た
「あら今年は早い!?」
なんて言ってるリコは気にしない

−翌日−
「?なんか賑やか…」
窓の外を見ながら騒ぐみんなをかき分けてグラウンドを見る

「わぁお…」
そこには、

日本一にします。

そう綺麗に白線で書かれた文字。
黒子くんらしいなぁ…

なんて思いながら微笑していると、ふいに頭の上に違和感

「?」
を浮かべながら振り返れば、笑顔を浮かべてる伊月くんがいた

「伊月くんッ!!」
「あれ、黒子だよな?」
「他にはいないよ」
と笑って言えば
「だよな」
と笑顔で返してくれた

あぁ、もう…ッ!私、マネになってホント良かった…ッ!!

伊月くんと話をしながら実感した。

ちなみに、名前を忘れた彼の文字は謎のミステリーサークルとして誠凛高校七不思議の一つになったとか

キュッキュッ
「エイ」「オー」「エイ」
靴の音とみんなの声
それを聞きながらバスケの本を読んでいると、本に陰ができた

「清水」
誰、と思う間もなくかけられた声

「なに?日向くん」
「カントクどした?練習試合申し込みに行くとか言ってたけど」
あぁ、と言って言葉を付け足す

「リコならさっき戻ってきたよ
スキップしてたし…OKだったんじゃない?」
「スキップして!?」
「スキップして」
だから練習しなよ
と言おうとした瞬間

「オイ全員覚悟しとけ
アイツがスキップしてるってことは…次の練習相手相当ヤベー」

日向くんが切羽詰まった声を出した
「そんな大袈裟な…あ、リコ。お帰りなさい」
スキップしながら帰ってきたリコに声をかけると

「ただいまー!!ゴメン、すぐ着替えてくるね」
スッゴい楽しそうな表情をしたあと、

「あのね…
『キセキの世代』いるトコと試合…組んじゃったっ」

とキラキラした目で言われたその言葉にみんなが固まる
…私以外は

ごめんなさい、みなさん。
『キセキの世代』って何…?



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