「…かの、じょ?」
「清水さゆ!しばらく会わない間に彼女の顔も忘れるくらい薄情だったの?俊は」
戸惑っている俊を見ながらもすらすらと口をついて出てくるのはデタラメばかりで

…でも、すきなんだ。
少しだけ。ほんとに少しだけでいいんです。
私を、俊の彼女に戻してください。

「あの、俺ちょっと事故で記憶がなくなって…
あなたのことも覚えてないんです」

申し訳なさそうに眉をひそめる俊に胸が痛む

ごめんなさい、全部知ってるんです。日向が教えてくれたんです。

「…そっか。でも、俊は俊だよ?私がだいすきな伊月俊だから…っ!?」
「あ、ごめん…っなんか、撫でたくなって…」
ふいに撫でられた頭を抑えて大丈夫だと首を左右にふる

久しぶりに触れられた手に胸がしめつけられた

「っじゃあ私、友だちと約束してるからもう行くね!また連絡する、ばいばい!」
「あ…っ」
何か言いたそうにしている俊の表情を見なかったふりをして踵を返した



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