「…あ、」
「どうした?さゆ」
「ねぇ、俊くん、ここ!」
歩いているうちにたどり着いたのは俊くんが告白してくれた公園で

俊くんの手を離してそのときに立っていた場所に立つ

「もう4ヶ月も前なんだな」
「早いねー」
俊くんをすきになって、リコに誘われてマネージャー始めて
かと思ったらなんだかあっという間に俊くんと付き合えて…

「怒濤の4ヶ月だったなー。むちゃくちゃ早かった」
「かと思えばもう夏休みだしな」
ん、と差し出された手をもう一度握って近くにあったベンチに座る

「夏休みには合宿があってさ」
「うん、リコが張り切ってた」
「それが終わったら今度はWCがあって」
「…うん」
「ほんとにバスケばっかでさゆに彼氏らしいことなんか全然してやれてなくてさ」
「…そんなことないよ」
確かに、友だちとか見てるとみんな夏休みは彼氏さんと旅行行くんだー、って話ばっかりで羨ましく思わないわけがなかった
それでも、

「私は、俊くんがバスケさてる姿がだいすきだから
どっかに出かけたりできなくても大丈夫だよ
これからも1番近くで俊くんのバスケ姿見せてよ」

嘘なんかじゃない
無理もしてない
これが私の素直な気持ち

「…ほんと、俺の彼女さんはカッコいいな」

俊くんは思いっきり笑うと、

「これからもずっと、1番近くで見ていてください」

私の頬に軽くキスをした

「…ほっぺただけ?」
「煽るんじゃないの」
不満そうに唇を尖らせた私のおでこを軽く叩くと、今度は唇にキスをしてくれた

久しぶりすぎる俊くんの唇が頭がくらくらする

もっと、なんて…

「…足りない、って言いたそうな顔してる」
「…そんなことないもん」

はしたない女だなんて思われたくなくて必死に取り繕う

でもそんな私の気持ちなんて俊くんはお見通しで、

「じゃあ、俺が物足りないからもっとする」

そう言って何回も唇を重ねてきた



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