「チワス」
「おー、火神くん!足はもう大丈夫なの?」
「ウス」
「足はいいけどオマエ!来いよ練習!なんかあったのか?」
「…すんません」
素直に謝った火神くんに日向くんが思わず言葉に詰まる
…火神くんがむっちゃ素直だ

「いやだから!謝るくらいならちゃんと…!」
「ウィース」
「あ、」
日向くんの言葉を遮った声の主を振り返る

「さぁ、練習しようぜ」
「…ん?」
「えーと…久しぶりだな、木吉」
「オウ!」
あ、この人が木吉さんか!
てゆか…

「いや、なんでユニフォームだよオマエ!?」
「久しぶりの練習でテンション上がっちまってよ」
「やる気あんのか?あんのか!」
日向くんが困惑しながらつっこみを入れる
…天然だ、木吉さん

「去年の夏からちょっとワケあって入院しててさ、手術とリハビリで今まで休んでたんだ
木吉鉄平、193cm、81kg、ポジションはC、よろしくな」
はー…この人が誠凛バスケ部を創った人…でかっ

「鉄平!もう大丈夫なのね?」
「ああ!もう完璧治ったよ
ブランクはあるけどな。でも入院中何もしてなかったわけじゃねぇよ」
「何か学んだのか?」「あぁ、花札をな、同室のじいちゃんから」
俊くんの質問に当たり前のように答えた木吉さんの回答に体育館が静かになる

「だから!?」
「面白いぜ!コイコイの時のあのスリル!」
「バスケ関係ねぇじゃん!!」
なんか今日だけで日向くんの声枯れそうだ!

「あー、あとこれだけは言っとかねぇとな
まぁ創部した時から言ってたことなんだが、なけなしの高校生活3年間を懸けるんだからな、やるからには本気だ。目標はもちろん…どこだ!」

…へ?

「は?」
「いや、インターハイの開催地ってどこだっけ?」
「毎年変わるしもう負けたわ!今目指してんのはWCだろ!」
「そうか!じゃあWCは今年はどこだ?」
「WCは毎年同じだよ!」
バスケ部を創っ…えー…っ

「まぁとにかく、山登るなら目指すのは当然頂点だ…が、景色もちゃんと楽しんでこーぜ」
…なんか、天然でボケてるけどバスケ大好きなんだな、この人って

なんて感心した矢先、

「だからよ、勝負してくんねぇ?スタメンを賭けて」
「は?」
火神くんに向かって勝負をしかけている木吉さんを目の当たりにした



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