「…勝った?」
「だからそう言ったでしょ、聞いてた?」
負けるわけないじゃん、とでも言いたそうな表情をしている目の前の1年生をつい、まじまじと見てしまう

勝った?え、海堂くんに6-4で?

「はー…いや、確かに勝ちそうだったけどさ…」
ホントに勝てちゃったんだ…誰か録画してないかな?むっちゃ見たいんだけどっ!

「んじゃあ、今日はもう終わりだからコートの片付けして帰ってね」
ホワイトボードに点数を書いてそう言うと、

「ファンタ」
「へ?」
なにやら聞き覚えのある単語が耳に届いた

「だから、ファンタ」
「いや、うん、ファンタは知ってるけど…ファンタが何?越前くん」
「レギュラー1人倒した祝いに買ってよ」
「え、先輩にたかる?」
てか、絶対私のこと先輩と思ってないよね?
普通に友達感覚だよね?

「んじゃ、コート設備終わったらまた声かけるんで」
「え、あ、はい」
…はい、じゃないよ自分!

ひらひらと手を振ってコートに向かって歩いていく背中を見ながら唇を尖らす

「…生意気ー」

数十分後、コート設備が終わったらしい越前くんに呼ばれ、ホントにファンタをおごらされたのです
…っホントに生意気だ、越前くん!



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