「…俊が、記憶喪失」
日向と別れてから、もう一度口にする
頭に浮かんでくるのは高校生のときに大好きだった笑顔で、なぜか胸がきゅっ、と締めつけられた
<何かあったら連絡する>
って日向は言ってたけど…
「あーっもう…っ!」
むしゃくしゃする気持ちを発散するかのように叫んだ直後、
「った…」
おもいっきり人にぶつかってしまった
「すみませ…っ!?」
顔を上げてびっくりした
ついさっきまで、私と日向の話題の渦中にいた人
「…うそ、俊?」
どくん、大きな音が自分の胸から聞こえたきたのは、多分気のせいなんかじゃない