「さゆ!!」
「あ、古市っ」
声のした方を向くと、なぜか古市が立っていた
あ、ヒルダさんとラミアちゃんもいつの間にか来てる
「なんで男鹿と東条が?」
「…ベルちゃんをかけた戦い的な?」
「はぁ?」
怪訝そうな表情をした古市を睨みつけた瞬間、
「花火、」
大きな音と共に花火が打ち上がった
「話は聞いたぜ、男鹿辰巳
お前、この赤ん坊の親なんだってな
どうりであの時やたらと動揺してたわけだ
何故言わなかった?」
東条さんは何も言わない辰巳に対して少し笑みを浮かべると、
「まぁいい…とにかく返すぜ
オレは本気のお前と戦いてーんだ
子供が心配で力が出ねーなんて言ってほしかねーからな−…それとも、取り返す為に戦う方があがるか…?」
と言った
辰巳…
「どっちもごめんだね」
辰巳は口を開きながら、一歩ずつ東条さんに近づき、
「オレはオレの為に戦う。−第一、そいつはオレのガキじゃねー。てめーと同じで拾ったから預かってた、それだけだ
オレの所に戻ってくるか、てめーにひっついているか、−それは、こいつ自身が決める事だ」
そう言った
その直後、
「アー」
ベルちゃんの声が小さく聞こえた