「…どんな状況?」
いつの間にかいなくなった辰巳を探すために男鹿家から出てしばらく歩いていると、何人もの人たちが道で倒れていた

うぇえー…なんで?なんで?

とりあえず、踏まないように進むと、

「ってまてこらーっ!!」
「オレ達ゃてめーの子分じゃねーんだぞ!前歩いてんじゃねーよ!!」
妙に聞き慣れた声が聞こえた
…あ、

「辰巳、いた!!」
「は?…さゆ!?なんでここに…ッてぇ!!」
辰巳に近づいて頭を叩くと、姫川さんと神崎さんが驚いたような表情をしたのが見えた

「お風呂入りに行ったのに、なんでいきなりいなくなんのさ!?心配したじゃんっ!!」
「にしても、いきなり叩くことはねぇだろ!!」
「なんかもやもやしてるんだもん、仕方ないじゃん」

本当はいま、辰巳の顔を見るのすら恥ずかしい
あれは、辰巳とキスをしたのは、本当に夢だったのかな?

「さゆ?」
「…ッ」
辰巳に声をかけられ、無意識のうちに指で唇に触れていたことに気づき、はっと顔を上げた

「と、とにかく、いまから3人でどこに行くのかは知らないけど、私も着いてくからっまたどっか行かれたら嫌だもん」
「さゆ、オレら今からケンカしに行くんだけど、ホントについてくる気?」
「お前庇いながらケンカするつもりなんかねーぞ」
「別にいいです、ケンカに巻き込まれても今さらです」
だから連れてけ、てか着いてくからな

無言の主張が通じたのか、3人は呆れたような表情をしながら歩き出した


「言うねー、さゆちゃん」
「あ、庄次さん」
「まぁ、彼氏があんなんじゃ、今さらだよなー」
「か、彼氏じゃないですから…ッ」
「周りから見れば、付き合ってるようにしか見えないよ」
庄次さんは、真っ赤になった私の頭を撫でると、歩いていた3人の後ろについて歩き出した

「…きっと、私の片想いだもん」
夢みたいにはならない

そう思いながらも痛む胸に眉をひそめて、4人の元へはや歩きで近づいた


「…うわ、」
石矢魔の校門をくぐってすぐ、その光景に思わず言葉が漏れた

た、大量の不良…ッ

「…ッ」
「あらー…なんなの君タチ」姫川さんと神崎さんに続いて庄次さんが驚きの表情をすると

「どーぞ相沢さん、行ってください。ここはオレたちがくいとめます」
不良の1人が庄次さんに話しかけた

「くいとめるってあのねぇ…君タチ戦争じゃないんだから」
「戦争ですよ。石矢魔の誇りをかけたね」
「そう…1年にしきられるなんて事があっちゃあならないんですよ、石矢魔は
…現にほとんどの生徒が今ここに集まってます」
「あぁ、そう、ま、程々にね
じゃ、オレ、東条さん呼んでくるから」
え、東条さんここにいるの?

「あ、さゆちゃんは先に東条さんのとこに一緒に行く?」
「え?」
どうしようか迷っていると、今にも襲いかかってきそうな不良たちが目にはいってきた
…多分、いつもみたく隅っちょにいてもジャマになるよね、これは

「…えーと、行きます」
そう言って庄次さんについてそこを離れた直後、背後から眩しい光が見えた、気がした



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