ビーッ

『第1Q終了です』

桐皇 25
誠凛 21

4点差かぁ…

さて、どうしたものか…
今リコがみんなに話している通り、1年生の黒子くんと火神くんは俊くんたち2年生よりデータは少ない

でも、それだけで桃井さんのウラをかけるのだろうか?

ビーッ
「暴れろ、ルーキー!!」

キュッ

開始早々、俊くんから黒子くんに回り、火神くんがおもいっきり跳んだ

「ちっ!」
「つーか、ついこの前まで中坊だったガキが、バカバカダンクすんなボケェ!!」
「ブロック2人!?」
諏佐さんと若松さんが火神くんに続いて跳んだが、なぜか先に跳んだ火神くんの方が長く跳んでいる

そう思った直後、火神くんのダンクが決まった

「オマエは!ダンクしかせんのか!」
「だがナイスだバカガミ!!」
「決めたのに!?」
日向くんと俊くんに頭を叩かれた火神くんをちょっと不憫に思いながらちら、と時間を見る

そろそろ青峰くんが来てもおかしくない、よね…

「データがあるだのねーだの、まどろっこしーんだよ!
んなもん全部蹴散らして跳んでやらー」
「2連続!!」
「うおお、ノッてきた、火神!いけるぞ!!」
「いいぞ、いいぞ、火神!!」
「…ダメ、リコ!!」
「っ緊急事態だわ。小金井くん、至急アップよろしく!」

ビーッ
『誠凛、メンバーチェンジです』
「火神!交代!」
「ちょっ…なんでオレなんだよですか!これからって時に…」
「いーから戻れってば!
カントクも清水も気づいてるぞー」
「!」

「アイツ交代!?ありえねーだろー」
「何考えてんだ誠凛ー」
「やっぱちゃんとした監督いねーとこはダメだなー」
うるさいなぁ、観客…

声の聞こえた方をにらんで、救急箱をリコに渡す。
リコの方がテーピングが上手いのは間違いないけど…
私も早くリコに任せっきりにしなくてもいいように上達しないと…ッ

ピッ

「リバン!!」
「っらぁ!!」
誰かの声に続いて若松さんが日向くんの打ったボールにくらいついた

「うお、速ぇ!桐皇カウンター!!」
火神くんが抜けてインサイドが圧倒的に不利…
リバウンドが取れない…ッ!!

残り 5:01
桐皇 38
誠凛 29

点差が開き始めてる…

「できたわ!とりあえずこの試合はこれで問題ないはず…行っていいわよ!」
「っし…!!」
「…すまないわね…」
「リコ?」
片付けをしながら呟いたリコを火神くんと見つめる

「本当は万全でない選手を出すなんてやりたくないけど…
火神くんがいないと勝てないわ…
全員一丸のバスケって言ったけど、そもそもそれはある人が教えてくれたスタイルよ
私だけの力じゃまだ未完成で、みんなの力を出しきれてない…
あげく、ケガしてる火神くんに頼る始末…自分の無力さに腹が立つわ…!」
「…え、と…誰?」
「は?」
「練習メニュー作って、スカウティングして、ベンチで指示出して、マッサージにテーピング…マネージャーと分けてるとはいえ、仕事しすぎ
ドーンと構えてくんねーと!
つかそもそも、すまない、で送り出されてもテンション上がんねーから…です」
「…生意気言ってくれるわねー!バカガミが!
行ってこい!」
「ウス!」

『誠凛、メンバーチェンジです!』
アナウンスが流れた直後、

「そーそー張り切ってくれよ
少しでもオレを楽しませられるようにさ」
「…テメェッ青峰!!」
青峰くんが火神くんの肩に腕を回して口を開いた

「やっと来たか、まったく…早く準備して出てくれや!!」
「えー?つか勝ってんじゃん。しかも第2Qあと1分ねーし」
「だめです、出なさい!」
「ま、いーけど…じゃあ…ま、やろーか」

…ジャージを投げて笑った青峰くんに、思わず鳥肌が立った



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