チラ、と腕時計に目を落とす

「5回目」
「え?」
「さゆが時計見た回数だよ」
大石に笑われ、なんだか急に恥ずかしく感じた

「そんなに気になるか?海堂と越前の試合」
「いや、だって…初めて1年生がランキング戦に出る試合だし、相手は海堂くんだし…」

そう言ってる間にも、再び時計に視線を落としてしまい、慌てて大石の方を向いた

「そんなに気になるなら行ってきたらいいのに」
「仕事中だから行かないっ」
「…部活に関しては真面目だよな
でも、さゆがそんなに時計ばっかり見てたらどっちにしても仕事にならないだろ?」
「う…ッ」
否定できない…

「手塚には俺から上手く言っておくから、見に行ってこいよ」
大石…

「ありがとーっお母さん!!」
「誰がお母さんだ!!」
笑いながら大石に手を振って、海堂くんと越前くんが試合をしているコートに走って行く

そういえば、

「海堂くんのスネイク、こないだの練習試合以降見てないや…」

そう気づくとさらに楽しみになり、ますます足を速めた



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