清水さんと夏目くんが別れた

貴志と距離を置いて数日が経った頃にはそんな噂が流れるようになっていた

「大丈夫?さゆちゃん…」
「うん、大丈夫」
心配そうに顔を覗き込んできた多軌ちゃんに笑顔を見せた

貴志とは家でもほとんど会わなくなった

会っても必要最低限のことしか話さない
…いっそのこと、別れた方が楽なのかな

「夏目くんには、何か理由があるんじゃないかな」
「え?」
ふいに、多軌ちゃんが口を開いた


「だって、夏目くんがさゆちゃんに対してとってきた態度は本物だと思うし…
何より、さゆちゃん大好きな夏目くんが別れたがる理由なんてないよ、きっと」

屈託のない笑顔で言われて、どこか気持ちがすっきりした

貴志が私を大好きかはわかんないけど…
今まで貴志が私に対してとってくれてた態度まで嘘だなんて思いたくなかった

「…私、貴志に聞いてみる」
「うん、頑張って!!」
私がそう答えるのをわかっていたのか、多軌ちゃんは特に驚いた様子もなく、私の背中を軽く叩いた



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