「可愛かったぁ、多軌ちゃんっ」
さっき一緒に撮ってもらった写メを見て口元が緩む

結局ギューッってさせてもらったし、アドレスも交換したし…多軌ちゃんといてくれた田沼くんにホンット感謝ッ

「…清水さん」
「どうしたの?夏目くん」
「ちょっと、」
「え?」
繋いでいた手を引かれ、そのまま家に帰ってきた

「あ、あの…ッ!?」
夏目くんの部屋に着いたかと思ったら、正面から抱きしめられた

「ッ夏目、くん?」
名前を呼べば、さらに腕の力が強くなった


「…ごめん、清水さんが多軌に抱きついたの見て妬いた」
「え?」
モゾモゾと動いて表情を盗み見ると、顔を真っ赤にした夏目くんがいた

「多軌ちゃんは女の子だよ?」
「…わかってる」
「…それでも、妬いてくれたの?」
「悪い?」
ムスッと唇を尖らせた夏目くんが可愛くて、自分から抱きついた

「清水さ…ッ」
「嬉しい」
ぎゅっと腕に力を込めて、さらに強く抱きつく

「多岐ちゃんに妬いてくれて嬉しいよ、夏目くん」
笑顔でそう言うと、照れ隠しなのか、キスをしてきた

「顔赤いー」
「さゆは普通過ぎ」
「…名前で呼んだ」
「さゆも名前で呼んでよ」
「……貴志」
小さく、本当に小さく呟いただけなのに、嬉しそうに笑うから…

…胸がきゅうって締めつけられた気がした



「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -