さぁ、どうしたものか…

ヒノエに解放され、教室に行こうと動かしてきた足が重たい

それどころじゃなかったから忘れてたけど、噂になってる2人が一緒に入るってかなりヤバいんじゃない?

「清水さん?」
足を止めた私に気づいた夏目くんが振り返った

「あの、私やっぱ、早退するよ」
「え?」
「夏目くんも聞いたよね?私たちの噂…」
「…あ、」
その一言で気づいたのか、夏目くんの顔色が少し変わった

「夏目くんに迷惑かけらんないもん
明日はちゃんと出るし、また別々に登校すれば大丈夫だよ」
「じゃあ俺も帰る」
「…え?」
聞き間違い?いま、夏目くんも帰るって…

「俺、先生に言ってくる」
「ちょっちょっと待ってッ!!夏目くんまで帰る必要なんて…ッ」
「いいから。2人で行きたい場所があるんだ」

綺麗な微笑を浮かべて言われ、頷くことしかできなかった私は、やっぱり夏目くんに惹かれているのかもしれない

職員室に向かう夏目くんの背中を見ながらそんなことを考えていた



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