「んー…!?」
目を開けてすぐ飛び込んできたのは、顔が大きくて全身が真っ黒な¨なにか¨

人?…違う、これ、妖だ…ッ

理解した瞬間、距離を置こうと身体を起こすが、すかさず地面に突っ伏す形で抑えつけられる

「た…ッっ私なんか捕まえても、なんの得にもならないでしょっ」
『お前をエサにして夏目レイコから友人帳を頂くのだ』
ニィ、と笑った妖に鳥肌が立った

「夏目レイコ?友人帳?
そんなの知らないッ!!私には関係ない人よ!!」
『…そうか、ならお前を喰ってやろう』
「…ッ」
強く目を瞑って口を大きく開けた妖から与えられるであろう衝撃を待った

「…あり?」
いつまで待っても訪れない痛みに疑問を覚えて目を開ける

「っ大丈夫?清水さん」
「な、つめくん?」
呆然と立ち尽くす私の手を引いて走り出す夏目くんと、それを手助けしているのは九尾みたいな白い妖

なんで夏目くんがいるの?
なんで猫ちゃんはいないの?
あの白い妖はなに?

走って逃げている間にも浮かんでくるのは疑問ばかり

でも、何よりも気になるのは…

「清水さん、ここから絶対動かないで!!」
「っ待って、夏目くんッ」
そう言って再び森の中に戻って行こうとする夏目くんの服を思わず掴んでしまった

「え?」
「夏目レイコ…さん、って誰?友人帳ってなんなの?」

同じ名字の夏目レイコさんと夏目くん
妖に狙われるなんて、どういうことなの?

夏目レイコさんという名前と、友人帳とういう単語を聞いた直後、夏目くんの目が見開かれた



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