「…超田舎だ」
バスを降りて空を見上げる

真夏に転校って…せめて車で送ってってくださいよ、お父さんにお母さん

ゆっくりと足を動かしながら地図を片手に今日から通うことになった学校を目指す


「おー清水、遅かったな」
「こんなに暑いとは思わなくて驚きながら歩いてたら遅くなりました」
「よし、じゃあ行くか」
あれ、そんな理由で良かったの?

自由過ぎる先生の後ろについて歩きながらどうやって挨拶をしようか頭を回転させる

やっぱ最初の掴みが大切だよね、うん


「あー今日転校してきた清水さゆだ」
「さゆです。よろしくお願いします」

挨拶をしてから気づいた
この田舎にはそぐわない、スゴく綺麗な男の子の存在に

「…夏目、くん?」
好奇に満ちた目であたしを見てたクラスメートも
空いてる席を指差そうとしていた先生も、私の呟いた言葉に驚きを露わにした

「…清水さん」
お互いを驚いた表情で見る


小学生のとき、数週間同じクラスだっただけなのに覚えててくれた驚きで頭が正常に反応してくれない


「お前ら知り合いなのか?じゃあ夏目と清水は隣の席な」
先生はそう言うと当たり前のように授業を開始した
…えーと

黙ってるわけにもいかず、とりあえず夏目くんに軽く頭を下げて隣の席に座る

なんか…
相変わらず不思議な雰囲気だなぁ…



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -