「いやーアツイっすねー先パイ。頭冷えました?」
「てめぇ、こら古市!!」
「何だそりゃ!?ぶっ殺されてーのか!?」
笑顔のまま口を開いた古市に周りの不良が目くじらを立てる

古市のこんなとこ、初めて見た
…ちょっとだけ見直したかも

「待てよ」
「高島さん…」
「変わってねーなぁ、古市。女の前ですぐかっこつけるそのクセ」
高島は古市の首にかかってたタオルを掴むと、

「てめぇ、それで痛い目にあった事、まさか忘れたわけじゃねーだろーな?
ククッケッサクだったよなーとあの時のお前…」
と言った

彼女さんの前で土下座させられたんだっけ?
3対1だったくせに偉そうににするなってのっ

頬杖をつきながら高島を睨むと、

ゴキンッ

ちょうど古市が高島の顔に頭痛をしたところだった
…めっさ飛んだ

「…なっ正気かお前…!!弱ぇくせに何いきがってんだ!!」
「男鹿がいなけりゃてめーなんざいつでもボコれんだぞ!!」
「そーっすねー。オレ、マジ弱いっすから
逃げます」
…え、逃げ?

「アデュー」
アデュー、じゃないわ古市ぃいぃッ!!
爽やかにプールに飛び込むなッ!!


「やきそばっ」
「ふぅん、なかなか男じゃない」
「え?」
千秋さんに助かっていた数少ない焼きそばを渡していると、寧々さんが隣で楽しそうに微笑んだ

「さゆの友達のあいつ」
「古市が、ですか?」
一応男だけど…男らしさのカケラもないよね?

「まぁいいわ、それより…」
空気が変わった気がして、ちょっと姿勢を直して次の言葉を待つ

「さゆと男鹿ってどういう関係なの?」
「…と、言いますと?」
「ただの幼なじみじゃないわよね?」
「幼なじみですよ?…辰巳にとっては」
小さく呟いたのに、聞こえてしまったらしく寧々さんと千秋さんの目が光った、気がした

「話してみなさいよ」
「…聞きたい」
なんとも言えない威圧感に押され、しぶしぶ口を開いた


「それは、ねぇ千秋」「さゆが悪い」
「えぇ!?」
なんで私!?いきなりキスしてきたのは辰巳なのに…ッ

「とりあえず、明日男鹿に聞きに行くべき」
「でも…」
「行くの」
「…はい」
…なんか千秋さんが怖く感じたのは、多分気のせいなんかじゃない



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