「ちょっとさゆッいつまで閉じこもってんのよ!?」
「さゆは冬眠なぅ。です」
「真夏だっての!!」
姉である紗代は問答無用に私をくるんでいた布団を剥ぎ取り、

「可愛い女の子と綺麗なコが来てるわよ」
と言った
…そんな友だちいたっけ?


「さゆ、ジュース買いに行こ」
「あっはい」
私を訪ねてきたのは烈怒帝瑠の寧々さんと千秋さんで、「この前のお礼に」と市民プールに連れて来てもらったのだ

「何飲む?」
「えっと、」
悩んでいる内に千秋さんはもうジュース買っていて、慌てて選び出す

「さゆ?」
「え?」
声のした方を見ると、古市が唖然とした表情で私たちを見ていた

「千秋ーさゆー!!そっちの席座ってるわよ…ん?…あんたは…確か男鹿の連れの…」
…なんでこうなった

「いやー偶然ですねー今日は二人きりなんですか?」
満面の笑みで二人に話しかける古市を見て小さくため息をつく

当たり前のように座ってめんどくさいセリフを吐いてるし…
寧々さんも千秋さんも引いてんじゃん

「−そっちこそ、男鹿は一緒じゃないの?」
辰巳の名前に反応して飲み物を落としそうになった

もう数日経ったのに、まだあの日のことが頭から離れなくて…

てゆか、気まずいっての!!
なんでいきなりキスなんかしたの?
私はただの幼なじみで、辰巳には昔から好きなコがいて…あーもうわかんないッ!!

「私、ちょっとプールに入って、」
「よう、古市にさゆじゃねーか。久しぶりだな」
立ち上がった私の肩を後ろから掴んできた男を睨む

…高島、私だいっきらいなんだよね
気安く名前で呼ぶなってのっ

「相変わらず女連れか。オレらにも紹介しろよ」
寧々さんたちを値踏みするような視線に鳥肌が立つ

あーっ気持ち悪いッ!!

「知り合い?」
「いや、中学の頃の先パイで…」
「私は知らないです」
「おいおい、何だそりゃ。もっとあんだろ
好感度上がる紹介がお世話になりまくったとかよー」
お世話ねー…カケラも記憶にないや

「ひひっ気をつけた方がいいよー
こいつ根っからのたらしだから」
「そうそう。君達の事エロイ目でしか見てねーからね」
「−まぁ、でも安心しな。こいつ、オレ達には頭あがんねーから」
寧々さんの表情にあからさまな怒りが見えてきた
その時、

バシャッ

水の飛び散る音がして、高島がジュースまみれになった

「−…てめぇ、何のつもりだ?」
「いやーアツイっすねー先パイ」
…私にまでちょっとかかったんだけど



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