「この、裏切り者がッ!!」
「辰巳サイッテー」
ラジカセを辰巳の頭に向かって投げた古市に珍しく同意しながら辰巳を睨みつける

「ー…ッ何すんだ、いってーな
つか何でさゆが古市の隣にいんだよ!?」
「やかましいっこのスケコマシっ
お前がそんな奴だとは思わなかったよ!!」
「いいじゃない、別に。今日は辰巳の隣にいたくないんだもん
あーホンットあり得ない。辰巳がそんな男だとは思わなかったよ…」
「何の事だよ?」
「何の事じゃねーよ!!」
「好きな人がいるっていうのになんで邦枝さんに告白してるの!?」
「はぁ?あほ。そんなんじゃねーよ、お前と一緒にすんな」
辰巳は古市を怪訝そうに見ながら

「見ただろ?あの邦枝って女のすさまじい強さ
ベル坊も珍しく喜んでやがった
あいつにならベル坊も絶対なつくぜ」
楽しそうに笑って言った

え、てゆか…

「そしたらこんな生活ともおさらばだ
フフッフフフ…ウハハハハッやるぜ!!オレはやる、やってやる!!」

まだ諦めてなかったんだ…
「必ずあの女にベル坊をおしつけてみせるっっ!!」
「情けねぇ決意だな、おい」
「他にそのエネルギー使ってよ」

「−…誰に何を押しつけるって?」
「あ、ヒルダさん」
いつの間にか後ろに立っていたヒルダさんを見て呟く

「まったく。貴様はいつになったらミルクを忘れずに持っていくのだ」
「てめーこそ、いつになったらふつーに登場すんだよ」
ヒルダさんですからね


「−ほう、なるほど女か…確かに男だろーが女だろーが強ければ坊ちゃまはなつくだろうな」
「だよな、よしっ」
ガッツポーズをとる辰巳を横目に、ヒルダさんにミルクを飲ましてもらってるベルちゃんの頭を撫でる

か〜わいいなぁ、ベルちゃん

「おい、さゆ」
「…何でしょうか、男鹿くん」
「男鹿くん!?」
「あたしの幼なじみは好きでもない女の子に目移りするような人じゃないです」
「だから、別に目移りしてねーし。オレが好きなのは…」
パァンッ

スッゴく重要な言葉の最中、突然ベルちゃんのミルク瓶が割れた

「キキッさゆとオガヨメ発見〜
こんな所で一家だんらんとは油断しすぎだぜオガ」

あー…もうさ…
ふっざけんな、MK5ーッ!!

「キキッ東邦神姫だけが石矢魔じゃねぇんだよ
さゆとヨメとガキの命がおしけりゃ…ん?」
「命を惜しむのは貴様らの方だ」
ヒルダさんはカサを構えると、遠慮なくMK5を殴っていく

「…なっうっうそだろ!?…ッ!!」
「空気よめや」
ベルちゃんが泣いて焦げた辰巳は思いっきり碇を殴った

「やべぇ」
「瞬殺かよ」
「最凶夫婦…」

はぁ…学校中でヒルダさんと辰巳が付き合ってるって噂が立ってるし、結局辰巳の好きな人は聞けなかったしさ…

「はぁあぁ…」
「なんだよ、さゆ」
「何でもないよ、辰巳…」
?を浮かべながら私を見てくる辰巳にはは、と笑い返す

私、一生、辰巳に告白できない気がする…



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