「ねぇ、古市」
「なんださゆ」

「もう帰りたいんだけどぉおぉ!!」

傘をたたみながら、晴れた空に向かって叫ぶ

辰巳の家おかしいしッ!!


「−というわけでな、事態は一刻を争うのだ
オレの素晴らしい機転により一時的に沈静化はしたものの
依然、ベル坊ダムは決壊寸前。予断を許さぬ状況だ
幸い、今日はうちに誰もいねぇ
今のうちに全て収拾するにはどーすればいいか全員頭をひきちぎれ!!」
「いや、知恵をふりしぼれ」
「ひきちぎれッ!!」
ちぎってどうすんのよッ

ベルちゃんを見ると、プルプルと震えていて、今にも漏れそうだ

「フン、何を的はずれな話をしておる
問題はどの街から沈めるかであろう」
「よーし、お前もうしゃべるな
そこで腕立てふせでもしてろ」
なんかもう、ヒルダさんが言うと清々しいな…

「えーと…いいか?」
「はいっ古市くんっ」
「何度もいうけどオレをまきこむなって」
「お前とさゆだけがたよりだ!!
なんかいいアイデア出たのか!!」
「出てねーし、出す気もねーよ」
…気になる人に頼りだ、って言われただけで考えが浮かぶなんて、女の子ってホント損だ…

「ねぇ、辰巳」
「なんか出たのか!?」
「根本的な話なんだけど…オムツはかせたら?」

辰巳は古市とベルちゃんを見ると、

それだぁっっ!!

と言ってベルちゃんを抱えて階段を駆け降りた

「古市、頼んだッ!!」
「は!?」
「私は辰巳追うからったまには人の恋愛の手助けしろ!!」

そう叫んで辰巳を追いかける

つか…あいつ足早すぎでしょッ!!!!


「…バカ」
頭を抱えて目の前に座ってる男を見る

なんでベルちゃんにオムツかぶせてんの!?

「お客様ー困りますよ。勝手に店のもの…
−ってあれ?男鹿ちゃんじゃん」

あっ神崎さんのとこにいた人

「何何?オムツ?いーよ、持ってきな!!」
「えっいいんですか!?」
「あっさゆちゃんだ
この間はいいもん見せてもらったからねー
いや、本当すごかったよ。神崎くん全治1ヶ月だって」
…めっちゃ笑って言ってるんだけど

「ま、これで石矢魔東邦神姫の1人をやっちゃったわけだからね、これから忙しくなるよー
ガンバってね」

不吉なこと笑って言ってかないでくださいよぉぉッ!!

「…ベルちゃん?」
え、なんか震えてない?

ベルちゃんに触れようと手を伸ばした瞬間、

ドッ

ベルちゃんが後方に飛んだ

その光景を見ていると、ヒルダさんが持ってる刀がベルちゃんに当たる寸前で


「あぶな…ッ!!」

間に合って…ッ

必死に腕を伸ばす

ガッ

「な、ないす辰巳」
「さゆもな。−ったく、もう決壊かよ」
「十分、よく我慢してくれたでしょ」

辰巳はふと隣を見ると、

「何してんだ、遅せーぞ」

とヒルダさんに言った

「やっぱオムツ意味ねーわ。お前なんとかしろよ
。母親がわりなんだろ?」

…なんかカッコいいけどさ、ベルちゃんの足持ったままって…


「つかまれ、海とやらまで飛ぶぞ」

…そーいえば海って手があったね



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