−ここは県外最凶
ヤンキー率120%と呼ばれる不良校
石矢魔高校

「さゆってなんで石矢魔来たわけ?」
「は?」
一緒に辰巳を待っていた古市が袋からジュースを出しながら聞いてきた

「え、なにいきなり?」
「いや…さゆ、普通に頭良いじゃん
石矢魔じゃなくてもいくらでも選べたでしょ」
なんで石矢魔に、かぁ…

「ノリかな」
「は!?」
「だって石矢魔なら勉強しなくていいしさ」
「…へー」
「納得いってないでしょ」
ため息をつきながら尋ねれば、古市はニヤッと笑って、

「男鹿がいるからだろ?」

と言った

「え、古市バカじゃない?あり得ないかんね」
「いやいや、見てればすぐわかるって」
「だから…ッ「あっ男鹿」えッ!?」
…思った以上に過剰反応になってしまった
ニヤける古市がうざくて仕方ない

「−お前、なんでつれてきてんの?魔王…」
古市は軽くジュースを吹いて呆れた表情で辰巳を見た「よっ」
バカ古市のせいで辰巳の顔が見れない…
もーウザいわ、古市

「今失礼な事考えてるだろ?さゆも」
「辰巳、なんで学校に連れてきたの?」
「無視かよッ!!」
「さゆ…古市…聞いてくれ。オレんちはもうダメだ」
「え?」
「悪魔に−…のっとられた…」
「ふざけんなッオレんちのがもっとダメだッ
おとといから半壊してんだぞ!!」
「あーそんなのあったね」
「さゆテメェッ無視すんな!!」

問答無用に回想−…

回想終了

「−というわけでな…今やこのありさまさ…」
…えーと、つまり…ヒルダさんと一つ屋根の下!?

「…ちょ、ちょっとまて…じゃ、なにか?
一つ屋根の下なの?あのゴスロリ巨乳ちゃんと!?家族公認!?おしかけ女房?」

古市は早口で気持ち悪いことを言っていく

絶対くいつくとこ違うし


「あっベルちゃん、1人で行っちゃダメだよッ」

気持ち悪い古市と呆れてる辰巳を放置して蝶を追いかけていくベルちゃんを抱っこする

「おいおい、マジか?本当にガキがいるよ。ケッサク」
顔を上げた瞬間、腕を引かれて後ろにいた人にぶつかった

「った…」
「さゆちゃんとガキゲット〜」
「離…ッ」
「ニギャーッ」

離して

そう言おうと口を開いた瞬間、ベルちゃんが泣き声をあげた

「よ〜男鹿くん」
「パパになったんだって?」

「ベルちゃん、泣かないで…」
不良共が辰巳たちに何か言ってる間に空いている片手でベルちゃんの頭を撫でる

子どもにナイフ見せるなんて、どういう神経してんのよッ

「動くなッ!!」
「−そう、動くな…って、え?」
「わかった…わかったから、てめぇそれ以上動くなよ…動いたらぶっ殺すッ」
「お…おう…」

15m離れちゃいけないのはわかってるんだけどさ…
辰巳のが迫力あるってどうなの?

「フフッ…あの男鹿があせってやがる…」
「ああ…やれるぜ、これ」
「−まちな」
えー…また敵?

「あ?」
「誰だ?今とりこみ中…」
「うっ…あんたらは…ッ」
「石矢魔の双頭竜…!!真田兄弟!!」

「男鹿をやるのはオレ達だぜ」
…だれ?

「おいおい…ぬけがけはいけねーなぁ…」
「キラーマシーン阿部!!」

「−おっと、オレを忘れてもらっちゃ困るぜ」
「グッドナイト下川まで!!」

「な…なんてこった…」
「2年幹部がせーぞろいじゃねーか!!」

だから誰!?

「ど…どーするよ…ヤベーよこれ…」
「…くっ」

今なら逃げれるかもッ

そう思って拳を握った瞬間、

「お帰りなさいッ!!」
「ただいまっ」
辰巳が私の腕を掴んでいた男を思いっきり殴った

「辰巳ッ」
「お前アホかッ」
「えぇ!?」
「ったく…次勝手に離れたら殴るからなッ」
「…ッ」
今の、反則でしょッ

「っうるさい、バカ辰巳」

うるさく鳴る心臓に気づかないふりをして呟く

あぁ、もう…ッ
好きに、なっちゃうじゃんか…ッ

「フーン…君が無敗のルーキー男鹿辰巳くん…ね
そんなにモテるよーには見えないケド、それ本当に君の子?」
「んな事ぁどーでもいい。勝負だッ勝負しろッ」
…阿部さんって本当に高校生?

「あー?めんどくせぇ」
「あ…あんた状況わかってんのか!?
いくらなんでもやべーぞ…」
「知らねーのか!?この人達はなぁ、キラーマシンと…」

ドスンッ

アフロが話しているときに響いた鈍い音と、2年生2人が屈んだことに周りが固まる
瞬殺って…

「さーて、帰るか」

呑気だな、辰巳

「…へぇ、やるねぇルーキー」
ナイフ!?

「ガキごと真っ二つにしてやるよ」
チェーンソォォォォ!?

前後からの波状攻撃なんて、いくら辰巳でも…ッ


「邪魔」
ナイフ使いは辰巳に
チェーンソー使いはベルちゃんにボロボロにされた


「いくぞ、さゆ」
「うん、帰ろっか、ベルちゃん」
「ダ」
頭を撫でれば嬉しそうな表情をしてくれた
…可愛い

−こうして
後に全国の不良達を
恐怖のドン底にたたき落とす伝説…

子連れ番長、べるぜバブは−…始まった



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