制服デート(鷹♀宮)

 


※宮田女体化

***




淡いレグホーンのコートの上から、シナモンカラーの柔らかなマフラーを巻く。
布製の大きなシェルピンクのバッグの中には、教科書や参考書の他に、ジムで使うTシャツやタオルなどが入っていた。
宮田はそのバッグの手さげの部分を右肩にかけるようにして持つと、クラスメイトに軽く挨拶をして教室を出た。
急がなくてはジムに遅れてしまう、と宮田が纏わりつくプリーツスカートの裾を疎ましく思いながら足早に校舎から出ると、校門に寄り掛かるようにして立っている、見慣れすぎた姿が目に入り、思わず速度を緩めてしまった。
そこに居たのは。

「鷹村さん?」
「遅ぇ!」

顔を覗き込み伺うように問うと、怒鳴るように切り返された。途端に、元来気の長く無い性質の宮田はむっとした表情になる。

「なにそれ。約束もしてないのにそんなこと言われる意味が分からないんだけど」
「俺様が待っててやったんだ、礼の一つくれぇ言いやがれ」

二人はしばし睨み合っていたが、怪訝な視線が多方面から向けられていることに気付き我に返った宮田がそっぽを向いて歩き出したのをきっかけに、小さな攻防の幕が下りた。
鷹村は一瞬だけ目を見開き、しかし瞬時に眉を寄せ憮然とした表情で宮田を追いかけ、彼女の右隣りを歩く。

「オイ」
「…」
「宮田」
「…」
「……チッ」

めんどくせぇ、と聞こえるより早く、宮田が持っていた存外重いバッグが鷹村の手に渡る。

「お前のような軟弱な女には重すぎんだろうが」
「…言いたいことは色々ありますけど、とりあえず黙っといてあげます。」
「…」
「ありがとうございます」
「…フン」

「でも荷物は左手じゃなく右手で持ってくださいね」
「あぁ?」


だってこのままだと、手、繋げないんですもん。



宮田は悪戯っ子のように猫の瞳をきゅう、と愛しげ細めて鷹村を見ると、それはそれは可愛らしく笑った。



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タイトル詐欺











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