こちらは星がキレイです

 
 



人間誰しも欠陥はある。


欠陥と言う言葉が適切でないのなら、欠点と言い変えてもいいだろう。


例えばハルヒは美人だが、それも黙っていればの話で、あいつの話す言葉は常人には全く理解不能なものだ。


とまぁここまでの話は余談で、俺が言いたいのはつまり、年中胡散臭い笑顔を浮かべてるあの男にも、欠点なんてものがあるのか、ということだ。

気になったので、率直に本人に聞いてみることにした。


「欠点、ですか」


ふむ、と顎に長い指をあて、古泉は思案に耽った。

少し俯いた瞼の白さが厭に目につく。
ちくしょう、考え込んだ顔も美形だなんて、神様ってやつは全くもって不平等だ。


「古泉一樹には主だった欠点は無い筈です。涼宮さんが望んだ古泉一樹はきっと、ある程度のことはそつ無くこなすことのできる人物でしょうし。」


字が汚いのはまぁ許容される範囲だったのでしょう、と古泉は笑う。

ああそうかい。想像通りの面白くもない答えだな。


「おや、もうよろしいのですか?貴方のことだから、僕の短所を並べ述べられると思っていたのですが。」

「だれが好き好んでそんな不毛なことするか。」

「それはよかった」


心から思っている風ではない古泉には何も言わずに、椅子に凭れ、こいつのさっきの台詞を頭の中で繰り返す。


(古泉一樹には主だった欠点は無い筈です)


それってつまり、ハルヒのものである古泉一樹じゃない、本当のお前には、欠点があるってことだよな。


「ま、気楽にやるさ」


少しの安堵と共に呟いた言葉に、俺の内心を知ってか知らずか、古泉はそうですかと微笑んだ。




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キョン→古


 










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