「とりあえず説明だけ…しよう。まずは、性器をそっと握る。……こんなふうに」

 モブリットは団長直々に渡された筒に輪を通すように、親指と人差し指をつけ握った。こんなに真剣な面持ちでオッケーサインをつくる日がくるとは彼自身思いもよらなかったが、でもこの様子は端から見ればきっととことん間抜けなのだろう。

「この、状態で…指の輪を男性器に通し、残りの指を添える。これが基本形となる。そのまま手を前後にスライドさせながら性器をしごく…と」
「どうなるんですか?」
「…性器が勃起する。つまり固くなるんだ。そのうち先端からの体液でぬめりを帯びてくれば速度も自然と速まり、ラストまでしごきやすくなる」
「…力加減はどれくらいでしょうか?」
「ち、力加減…?」
「はい! 力加減です!」

 良い子の御返事で知識を吸収しようとしている無邪気な子供を、直視することが出来ない。そんな善人なモブリットとは明らかに違う、穢れた、穢れきったおっさん共は途端まるでサンタクロースに頼んだプレゼントの話をする子供のように嬉々としてエレンの手首をそれぞれ掴み、

「最初はそっとで、痛くなければ徐々に強くするんだよエレン。そうだね…特にきみは初めてのようだから、」

 このくらいかな、とエレンの右手首を握ったエルヴィンの笑みは満面のそれと言っても良かったし、

「そしてぬめってきてノッてくるとこれくらいだ」

 と今度は左手首を掴んだリヴァイがその手にやや力を込める。態とらしい仏頂面が必死で怖い。しかも若干エレンには痛かったのかリヴァイの手の中でわかりやすくびくりと震えたのが見て取れた。ああ憐れ阿呆なばかりにとモブリットは胃のあたりを抑える。

「それでどうなるんです?」
「ああ。そうしているうちにね、急激な尿意に似た感覚がきて、『精液』という白い粘液がぺニスの先端から出るんだ。それを『吐精』または『射精』と呼ぶんだよ、エレン」
「それがイクってことだ。イクときは必ず“イク…!”と口にしろエレン」
「いくってどこに行くんですか? 兵長」
「エレンそれはな、」
「っ――うわああああもう自分には耐えられません勘弁してくださいいいぃいいっ!!」

 ついに何かがキレたらしいモブリットは叫んだ。彼はもう見ていられなかった。兵団2トップ、普段は顔を会わせるだけで心強い2人の上官だというに、今は不吉で堪らない。

「えっ、ど、どうしたんですかモブリットさん!!?」
「すまないイェーガー不甲斐ない私を許してくれ!!!」

 後でお菓子あげるからあああああぁぁぁ――と何だかもう泣きじゃくりながら逃げ去っていく彼を止める暇もなく廊下に反響するそれにエレンは思わず立ち上がってしまった中腰のまま、伸ばしたはいいが行き場のない手を硬直させた。何だ何だ何だ何がどうしたんだ。目をまんまるくさせるばかりのエレンの腰を突如、大きな手ががしりとホールドし継いで太股にもぐるりと腕がまわされる。

「ふァ!?」
「あのモブ野郎、退室の礼儀がなってねえな。…おい、俺より先に触ってんじゃねえよエルヴィン」
「良かったねエレン、後でお菓子をくれるそうだよ。…さりげなく自分の膝の上に座り直させようと体勢を変えながら何を言っているんだリヴァイ」
「おまえにゃあ関係ねえだろう」
「ならば私が掴むこの細腰もおまえには関係あるまい」
「は、はな、離してください! いた、ちょ、痛い! 痛いですってッ!」

 左右より、腰と太股を真逆に引っ張られ流石にエレンも痛みを訴えた。これではソファに座れない。ばかりか腰骨と大腿骨がずれそうだ。

「おいエルヴィン、エレンを離せ。痛がってるだろうが。おまえに人の心はあんのか」
「失礼な。先にそちらが離すべきだ。人類最強の腕力で掴まれていればそりゃあ痛いだろうね」
「お2人共離してくださいよっ!!」

 俺の骨格が歪んじゃう前に!! と懇願するエレンに、穢れたおっさん2人は決めた。よし、剥こう。

「…チッ」
「ごめんねエレン」

 つい先程エレンの手首をそっと手にしていたときは、あんなにキラキラしていた筈の目が、今は見る影もなくギラリとした肉食獣のようになっているのだが阿呆の子エレンは無警戒に声を掛ける。

「もう…っ急にどうなさったんですか。団長も兵長も」
「別にどうもしてねえ」
「俺なんかに言えた義理ではないかもしれませんが喧嘩しないでくださいよ……」
「それは無理な相談だよエレン」
「何でですか。壁内の、しかもこんなところなら仲良くしましょうよ」

 議論中ならまだしも、とエレンは言いたかったわけだが、それが通じるおっさん2人であればモブリットはあのように逃げ去りはしなかった。

「仲良くだと?」
「しても良いのかい?」
「えっ…な、」

 がつん、元居た2人の間に戻されたエレンは勢い余って後ろの壁に頭をぶつけた。痛い。痛々しい。おっさんら必死過ぎる。だがエルヴィンとリヴァイは今更仲良くすることをやめる気はない。

「てて…何ですか頭打ったじゃないですか」

 うぅ、と涙目で唸るエレンにいたずら開始。エルヴィンが細腰をホールドしているその間にリヴァイの手がするするとエレンの下衣を脱がしていく。

「モブ野郎の説明じゃあ不充分だ」
「ああ、あれだけではエレンきみも自慰など1人で出来ないだろう?」
「え、え、え、」
「実施で教えてやるから覚えろよ?」
「な、何を、」
「「決まっているだろう。自慰だ」」

 どうやら決まっているらしい。否、エレンの受難など常日頃よりいつでもどこにでも転がっており、ただ単に今日についてはこの部屋の扉を開けたあの瞬間から既に始まっていた、というだけである。大人の階段登らされるエレンはあの有名なお伽話のヒロイン(シンデレラ)では無く昼間っから夜伽話さながら追い込まれていくのだから。





「っ…ぅ、く、ンンっ……」

 現状として。只今エレンは自身のペニスを握らされたその上からエルヴィンによるおおきな手のひらで包まれている。包まれながら前後に擦られている。

「エレン、痛くはないかい」

 にこにこと微笑みながらその手を休める気はないらしいエルヴィンに、初めて襲われている未知の刺激にエレンはふるふると弱々しく首を横に振る。

「いっ…た、くは……、ぁっ、ありません…っ! で、もっ…、うぁ、」
「うん? でも? 言ってごらん」
「うぅっ…は、恥ず、かしいっ……です…こんなっ…の、……っふ、ぁ、あっ」
「気持ち悦くはないかな?」
「は、っ…はぁっ……わか、わかりま、せ……っ」
「しかし勃起しているよ、感じている証拠だ」
「ふぁっ…ああ…っ、はぁ、…はっ…」
「勃起っつってもまだ半勃ちじゃねえか。ほら見ろ、エルヴィン。刺激が生ぬるいんじゃねえか」
「っ……!?」

 がばり、とリヴァイによって無遠慮に上半身さえ露にされエレンは突然のことにヒッと息を呑んだ。足許には、ずり下げられたきりの下衣が足首あたりで絡まったままである。

「いッ、痛い、…っ痛いで、す……兵長っ」

 事もあろうかリヴァイの整った歯がエレンの乳首を甘噛みしている。

「あぁぅ、う……、ゃ、あ、あ、あぁっ」
「ふむ。ペニス同様きれいな色だ」

 若いから肌もきれいだしね。エルヴィンはまじまじとエレンを観察しながらも、ペニスを責め立てる手は決して緩めない。そして徐々に勃ち始める乳首をリヴァイは音を立て吸い上げる。

「ん…ふ、ッ、んんんっ…」

 くちゅ、くちゅと唾液を絡めさせながら緩急をつけリヴァイの舌になぶられていく。

「ッ…っぅ、ん…!? っ、ア! んんっ!」

 衣服を捲り上げられた躰が冷えて鳥肌が立つのに、それを宥めるように舐められる乳首から体内が熱を持つ。隣から抱き締めるようにリヴァイがエレンの肩に腕をまわし、じゅ、と乳首を吸うより深い音をたて、肩口近くを吸い上げられた。

「ッん…な、に、へいちょ…っ」
「際どい位置に跡をつけるんだな、おまえは…」
「うるせえ」

 若干呆れたようなエルヴィンの苦笑が落ちた。きっちりと団服を着ていれば見えることはないが、リヴァイが跡をつけたその位置は今のように私服を着ていればどうだろう、ふとした拍子にすぐ見える気がする。

「ひあッ、ぁ…だ、ん、ちょうっ!」

 執拗に舐めて甘く噛まれているエレンの右側の乳首と逆に左側のそれを今度はエルヴィンの片手が弄ってきた。窺うようにではあったが確かに引っ張られ、また痛みがくる。

「うぅっ、っ…ふ……く、」

 左右の胸を別々の人間から違う方法で捏ね繰りまわされて、思わずエレンは目をつよく閉じた。

「駄目だよ、エレン。目を開けなさい」
「こっち見ろ。ほら」

 突然の要求にエレンは睫毛を不安げに震わせながら瞼を開く。視線の先にはエレンの表情を覗き込むように、エルヴィンとリヴァイの顔。

「あ…あ…、見な、い、で……くださっ…」

リヴァイは1度そこからくちびるを離し促した。

「エレン。乳首も勃ってやがるし、ちんぽもさっきまでより固く勃起してきているのがわかるだろ」
「で、でも、痛っ…」
「痛いだけでこんなふうになるかよ。やはりおまえは刺激が強めのほうが悦いんだろうよ」
「ひ、ゃっ……、あ、うっ…うぅう……っ、ア、ゃ、あっ…!」
「エレン。ペニスのほうもよく見ておかなければいけないよ。ぬめり始めて、気持ち悦さげにしているよ?」
「っふ、ぃやだ…ァ、そ、んなっ…嘘っ……、ん…くぅ」
「ふふ、鏡がないのが惜しいね。いやらしい――女の子のように乳首でこんなに反応している」

 恥ずかしさに、目を逸らそうとしようとも両隣から固定されているので、それも叶わない。自分のものがあれ程淫靡に勃起しているところなどエレンは今までに見たこともなかった。
 そのままじくじくとリヴァイの爪で葬られる。どうしてこんなふうに声が出るのかもわからない。

「ゥ、ふっ…くっ…も、やめ、……っ痛い」
「そうだねえ…ここも、そろそろ充分にそそり勃っていることだ」

 ごり、とエルヴィンに膝で中心を軽く押され痛みと、そうではない何かの狭間で身悶える。

「あぁ、あ! ゃ、いやだっ…いやですそれ…!」

 自然に涙が浮かんでしまう。それを舐めとるエルヴィンの舌はエレンから少しだけ離れるとどこか困ったような声で、

「ああ、ごめんねエレン。きみがあんまり愛らしいものだから」

 エレンの手の上から握っていた己の手をずらし、しかし離しはせずにそのペニスの先端を指の腹で幾度も軽くノックした。その度に、溢れ出す先走りが粘度を増して透明な糸をひく。

「っああぁ、…もっ…っふ…2人共っ……、や…めっ……!」

 にちゃにちゃと粘着質な音が響いていて、エレンのペニスから溢れる先走りはソファに小さな染みをつくる程になっていた。

「ッ……っふ、ゥ、ううっ…あ、ァ……や、っ…、ふ、」

 再びリヴァイが乳首を噛みつつ舌先で転がせば、上がる官能の声。それでいて同時に下半身をも擦りたてる速度が、はやめられていくのだから、初めての感覚への処理がまるで追い付かない。

「ひぅ、うう、っ…は、あ、はあっ……あああっ…! も、わか、わかりま、した、から…っ」
「いや、エレン。まだきみは吐精していないだろう? このままじゃあ、きみがつらいだけだよ」
「んっんぅうっ……や、もうっ…! あっあっ!」
「まだだ。エレン」

 羞恥と背徳のせめぎ合いに耐えきれず跳ねるようにエレンが腰を浮かす、その一瞬を見逃さず、リヴァイの手がエレンとソファの隙間に滑り込み、尻を揉む。

「へ、いちょ、うっ……」
「こら、リヴァイ。円滑剤の用意も無くそんなところまでするのは良くない。エレンが可哀想じゃないか」
「平気だろ。別にちんぽを挿れちまおうってわけじゃねえんだ。第一こいつは、自分の手の甲噛み切るような奴だぞ」
「それとこれとは…」
「言っただろう。俺の主張が正しいと」

 途端、何の準備もされていないエレンの孔に、リヴァイの人指し指が侵入し、エレンは悲鳴をあげた。

「だめっ…だめです兵長っ……、そんな、汚い…っとこ…、あゔ、っ痛い、で、すっ……」
「痛いのは初めのうちだけだ。必ず慣れる」
「ッうそ、つきぃ…っうぅ…!」
「嘘じゃねえよ。ケツの孔の入口付近にはな、丁度タマの裏あたりに前立腺というやつがあるんだ」
「ヒっ…く、ぜ、ん、……ぜんりつっ…せん…っ?」

 先程の乳首を噛まれたり吸われたりしたのもそうだが、こんなことは、モブリットの自慰講義には出てこなかったことである。だって最早これは自慰でも何でもない。いま貴女が暮らしている現代日本社会でいう性犯罪であり立派な淫行である。

「見つけた。ここだ、エレン」
「え!? あっ!? ふ、あぁ、あっ!?」

 エレン自身でさえ直接触れたことなど1度としてない孔のなか、そのしこりをリヴァイの指先が抉るように押す。

「なっ…なに、いや、ぁ、何です、かっ……それっ……! んん、っく、…ぁ、!」
「だから、前立腺だ。覚えとけよ」
「あまりエレンを虐めてやるなリヴァイ。ペニスがはち切れそうになっている」

 いつの間にやらおっさん2人の瞳は、肉食獣を通り越し寧ろそれを獲物にする狩猟民族の目だった。だが今のエレンにはもうわけがわからない。

「ひぅう…っ、ん、んんっ……は、あ、ぁあっ! ああっ…! ふ、…もぉっ、やめてくださ…っ、ひ、あ、あっ、あぁああっおかしく…なっちゃ…っ!」
「気持ち悦いだろ、エレンよ」
「だからっ…わか、…っな、って……、く、ぅうっ、ひ、」
「それが気持ち悦いということだよ、エレン。きみのとても可愛い声を聞かされてこちらがおかしくなってしまいそうだが」
「ゃ、あ、あ、だんちょ、手、はな、離してっ…」

 前と後ろの両方から与えられる快感はエレンにはあまりにつよすぎて、閉じられなくなっている口端から細く唾液が滴り落ちる。リヴァイはそれを舐め上げると、穿つ指先を鍵型にし更に奥へと突っ込んだ。

「ひうッ! んっんんっ…は、……っゃ、へいちょ、なんか、でちゃいま、すっ…そこ、もうっ……やめてくださっ……、漏れ、そ…うっ!」

 強制的に引き摺り出されていくような強烈な感覚に、エレンは悶え、苦しい程の悦楽にすべてを持って行かれるようでひどく怖かった。その怯えているのに抗えぬといった表情にリヴァイとエルヴィンは予想以上の興奮を覚えた。

「漏らしちまえ、エレン。それは小便じゃねえ」
「我慢していてはいつまで経ってもイケないままだよ」
「っん、んうっ――、ああっ、あ、あ、あぁああ……っ!」

 過ぎた快楽による恐怖のあまり、エレンはその身を震わせながら無意識的に両隣の手をぎゅう、と握り締めた。

「おい、エレン。イクって言え」
「っふ、ぅ、う……っ、イク…! ぃや、だっ…あ、あっ…イク、ぅうっ……ッ!」

 最早喘ぎは泣き声だった。エレンはわけもわからず躰がおおきく震えるのを自覚し、同時、今までは排尿するだけの器官であると思っていたペニスの先端から、白く粘ついた精を吐き出した。その体感時間は実際より随分と長く、そして体内の熱を排出するような不可思議なものだった。びゅく、びゅく、と数回にわかれ達した果ての躰は異様に怠く、重く感じられ、っは、っは、と、荒々しい呼吸を肺から繰り出しつつ、沈みこむ躰をエレンは背凭れに預けきる。暫く動ける気がまるでしない。

「…………っ」

 端的にいって、疲れた。

「――大丈夫かい? エレン」

 エレンの射精を受け止めたらしきエルヴィンが、何か、その武骨な手を丁寧に舐めている。リヴァイは手にしたハンカチで、エレンのペニスから未だ垂れ落ちる残精とソファに染みた先走りの名残をやたらと念入りに拭っている。
 何してるんですか、あなた方。訊こうかと思わないでもなかったが、話せるような状態ではないのでエレンはぐったりとしたまま虚ろな視線をさ迷わせた。というかそれくらいしか出来ないのが正しいところだ。

「気持ち悦かっただろ。なあ、エレン」

 潔癖症がなにゆえ他人のケツ抉るんですか兵長こわい。

「今のが自慰だよ、エレン。誰でもやっていることだ」

 何で俺の精液がついた手を舐めてたんですか団長こわい。

 まったく、無知は罪である。だが、無知につけこむことはもっと罪である。エレンは、あ、そうだ、あとでモブリットさんからお菓子貰わなきゃ。と、ぼんやり考えつつ、躰は勿論だがそれよりも心労としか呼べない脱力感に深々と重い溜息をつき、告げる。

「……俺もう…絶対に、自慰なんかしません……ッ!!」

 それに対し、かくしておっさん2人は『なぜ!?』『どうしてそうなるんだ!?』などとみっともない程に大慌ての性嗜好談義を第何回めなのか繰り広げるしかなくなるのだが、エレンからすれば当たり前の話であったのだった。なぜならばこんなことをしていては万が一壁内に巨人が現れても躰が動かぬため戦えない。そりゃあこんな危険で無防備な行為、賢明だった母は教えてくれなくても仕方ない。ぞくぞくした寒さと熱さに翻弄され五感がおかしくなり結果抗えない脱力感と虚無感に落とされる。母はいつだって正しかった。
 エレンは刻み込まれた恐怖に身震いしながら内心で叫ぶ――『自慰……ハイリスク過ぎる!!!!!』。
 せめてまだこの場にモブリットが居たならば、うおおおおおイェエエガァアアきみにおっさん共が教えたコレふつうに自慰じゃないからああああ!!! とエレンに与えられてしまった誤った自慰知識を訂正してくれた、かもしれないが、彼は今ここではない某所にてハンジにより、

「どうしてエレンの精液採取してこなかったんだよおおおモブリットのバカァアアア!! これじゃあただおっさん共が得しただけじゃあああんん!!!」

 などとマジ泣きで喚き散らされ叱られる、という理不尽を受けている真っ最中であった。分隊長、泣きたいのはこっちです、とモブリットは思った。そして再度こころから、自分より余程可哀想な目に合わされてしまった筈であろう巨人化可能な憐れな新兵へせめてもの誠心誠意と償いの気持ちを精一杯込めて、何なら土下座つきでもいいくらいだ、菓子折り持参で謝罪したい。

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