私には最近、困っていること…というか悩んでいることというか、腹立たしいことがある!





その原因は






今も横にいるこいつ、獄寺隼人の行動







「……」

一瞬こっちを見た獄寺

『?』

そして奴は、眉間にしわを寄せ今にもため息をつくような顔をするのである














こいつの方こそ果たしたろかこらぁああああああああああ
私が何かしたっていうのか!!!!
なんだって人の顔を見て、ていうか仮にも自分の彼女の顔を見てそんな顔すんのよ!!!!!











………ということが
まぁ、頻繁にあったのだ


なんだか可哀想だ…私……











『ねぇ、なんなの!』

「あ?何が」

『そんなに私の顔が気に入らないわけ?』

「?んなこと言ってねーだろ、」





この行動は無意識なのだろうか

それだったらそれで哀しいけどね…


こうも繰り返されるとさすがにへこむ



はっきり聞くべきか


よっしゃ聞く!




こんなにあっさりと聞く気になるなら
もっと早くすればよかったなんて思いながら獄寺に声をかける



『あのさ!!』

「んだよ」

『なんなんだこないだから!』

「は?」

『こっちを見ては顔をしかめやがって!!最近よくするでしょ!』

「!」


そう言うと
獄寺は驚いた顔をした



『こんなのと付き合った物好きはあんたでしょーが!!!!今更後悔してんのかこらー!!!!』

「ち、ちげーよ!後悔なんてしてる訳ねーだろ」


後悔してたわけじゃなかったのか
ちょっと安心!




『じゃーなんなのよ!!』

「だから、その//」

『?』










「身長差」






返ってきたのは全く予想外の単語だった



『え?』

「………身長差…あんま無いだろ俺ら」


『…それが?』

「だ、だから!彼氏が自分と同じような身長なんて普通嫌だろうが!!」

『!』


それって…

自分の身長を気にしてたの…?












『ふっ、あははは』

「な!?何笑ってやがる!!」

『いやごめん、あはははは』

「こっちは真剣にっ」



まさかこの獄寺が
身長を思って悩んでいたとは
そう思うとなんだかつい笑ってしまった





『…ほんと、くっだらないなぁ』

「悪かったな、くだらなくて」

『だって身長差なんて別に関係ないじゃん!っていうかそんなことかよ!!もっと深刻なことかと思ったよ』

「!お、俺にとっては深刻なことだったんだよ……でも、お前がそう言うんなら…」

『全然気にしたこともなかったよ!ていうかむしろ可愛げのないサイズの女ですいません』

「別に、お前が謝ることはねーだろ。つーか俺こそかっこつかなくて…わ、悪ぃな」

『大丈夫だって!大切なのは愛の深ささー!』

「な!?てめぇ、なんて恥ずかしいこと言いやがる!!」






なんだか嬉しかった


なんだかんだいって
結局は私のことを考えていろいろ悩んでくれていたわけで





『さすがツンデレ!』

「あ?意味分かんねーよ」

『それにしても身長に悩む獄寺…ふっ』

「……てめぇ」









忠犬の悩み事
それはとても意外なところから







(あとがき)
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -