1/2



「あ、あちらにいらっしゃるの自警団のジョット様じゃない?」

「本当!素敵よねぇ」


「……ねぇあれ、あの横にいるのって」

「あぁ、あの、ジョット様の…」

「あんな子がねぇ」

「…ね」














まただ




私だって分かってる

釣り合わないことくらい。











この街の自警団の長であるジョットは、

所謂私の恋人である




ジョットの優しい笑顔は本当に大好きで

一緒に居れることが最初の頃はただ幸せだった




最初の頃は。








彼の態度が変わってしまった訳じゃない

私の気持ちだって変わらないの



けど、









私は、言ってしまえば何の変哲もない街の小娘で

ジョットは自警団の長




街の人々が私に向ける目は

冷たかった





先ほどのような言葉を言われるのなんてよくあることだった




















「どうかしたのか?」


いつもよりぼーっとしていたせいか、ジョットが私の顔を心配そうに覗きこんだ



『ううん、何でもないの』


そういうと不思議そうに首を傾げながらも
安心したような顔をして




「そうか、ならいいんだが…無理はするなよ?」




いつもの優しい笑みを浮かべた









私、あなたといれること

とっても幸せよ






でもね、少し辛いの






思いたくなかったようなことも思ってしまう


変わらずあなたが好きなのに

















貴方を好きにならなければ良かった、なんて













私なんかを愛してくれなければ良かったのに、なんて














「なんであんな子がジョット様のそばにいるのかしら」












そうだよ、


私はなんで…







「名前、」


『え?』



いきなり名前を呼ばれたかと思うと、

ふってきた突然のキス







それは、私の頭をパンクさせるには十分過ぎるもので


ついでにさっきの女の人たちを黙らせるにも十分なものだった











『ちょっと、こんなとこで…!』

「周りなど気にするな」













彼は知らないと思っていた


私へ向けられる冷たい視線、言葉達を












「俺は、お前を愛したことを後悔はしていないし、これからもするつもりはない」









私は愚かだった







「そして、お前も同じように思ってくれることを、願う。」










誰より暖かな笑顔が

横に、すぐ近くにあることを









私は知っていたはずなのに。














『ジョット』















『私も同じ。永遠にね』









それ以外、必要ない



貴方と私の

関係








Make an Oath







貴方の笑顔に誓って










(次ページ→あとがき)


←‖


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -