1/5

(乃々歌視点)



『根本的な解決になってねえ…!!』










「え?」



『いや、結局これからどうしたらいいのかなと思って…』




解決したかのように見えたこの一件だが
実は何一つ解決していなかった




これから……



考えることが多すぎてどこから考えていいのか、というのが正直のところだ




「そうだよね…」

『どこに住む、とか?』

『考えるって言っても、この世界にあてなんかないし』



「うちは……」

『え!綱吉くん家!!!!?』



そんな…
だって、え!どうしようどうしよう!いやどうしようもないけど…







「泊めてあげたいのはやまやまなんだけど、既になんかいっぱいいるし、更に3人増えるってのは…ちょっときついかな……」





『どんまい乃々歌』

『え!?』

『どんまい』

『ちょっと!なんでどんまい!?』

『言って良いの?』

『うっ…』



彼女達が言わんとしてることはわかった。

確かに、ちょっと残念に感じてしまっている自分が悔しい…









「俺ん家も無理です」


「そうだね、獄寺くんは一人暮らしだしアパートだし、」





「俺の家の二階なら空いてるけど…」









『『無理!!!!』』






『「「え?」」』












『野球馬鹿の家は嫌!既に世話になったらしいしこれ以上借りを作るなんて癪だ!!』


悠希…なんとなく予想はつきました…



「別に貸しだなんて思わねーけど…」

『あたしは思うの!』




『てかさ…澪生はなんで?』

『死んじゃう』

『は?』



『いや、だって山本の家に住んだら山本に毎日家で会うわけだしというか一つ屋根の下という時点でもう駄目だって!私きっと死んじゃうって!だから無理です!ごめんなさい!』





澪生……
正直なやつ…

今のでみんな察したぞ絶対








「なんでだ?」

『え』

「俺のこと嫌いってことか?」


「「『『(なんでそうなった…!!)』』」」







『違う!!!!!!それは本当に違う!!!』

「?…そうなのか?何か、変なのなー。でもま、いっか」


『(良かった…)』





って…良くないね、結局またなにも解決してないんだけど……

また振り出しに戻ってしまったこの状況で、さっきまで居たはずの彼が居なくなっていることに今更気付いた





 ‖


- ナノ -