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あれ、
















あたし……






















………落ちてる…?





















『えっ!な、なななんでー!!!』




下には普通に街がひろがっていて、
あたし、常田悠希は風を感じて、、まあ簡潔にいうと……落ちてる。







軽く叫んでみると

自分の声が頭に響く






そっか…さっきまで保健室で……

って、




あ、これ夢か!




……夢にしては感触とかものすごくリアルなんだけど…





ていうか、そんなことより!














『…お、落ちる!!』








地面まで100メートルくらいになり、いよいよ落ちると思ってギュッと目瞑ると
急激に落ちる速度がゆっくりになった












――タッ

今まで落ちてたとは思えないほど普通に着地







『なんだったんだろ……とりあえず助かった…』


「なぁ!」





いきなり話しかけられ、驚きつつも顔を上げる









『!!』

「今、空から落ちてこなかったか?」




















山本……?








ん?…夢、だから?

う、うん!そうだよね、夢だから!!


それにしてもなんで獄寺くんじゃなくてよりにもよって野球馬鹿なんだよ……


まあ夢だ、夢。








でも……あれ、
さっき地面に着地したときしっかりと感触があったような…




ここはお約束

ほっぺたをつねって確かめる





『痛い…』

「?」





『ちょっと聞くけど、此処は…』

「並盛だけど?」









「場所聞くなんてどーかしたのか?」

『これは…まさか……』

「?」















トリップした……!?







すごい残念な思考回路であることは自分でも分かっている


でも、夢でもなくて…
しかもここは並盛……

トリップ以外に思い付かない













「なぁ、どうしたんだよ」


やべ、こいつの存在忘れてた!

どうしよう、、なんて言えば……
ってかこの状況どーすればいいの!!!





どうしたらいいか分からないまま
とりあえず顔を上げる





なるほど、整った顔立ちだ

うん、爽やかボーイ

そりゃモテるでしょうねえ


山本本人を目の前にしている割にはずいぶんと他人事だなあと自分でも思う

こんな展開、澪生ちゃんに変わってやりたいわ






……そうだ、

あの二人はどうしてるんだろう…









そう頭に浮かんだ時だった




視界が徐々に歪んでいく













「あ、危ねえ!!」



――ドサッ

原因は頭痛によるめまい




「おい、大丈夫か!?」

倒れそうになった悠希を山本は受け止める


「ん?熱…?」





とにかくこのままでは居られないためとりあえず家まで運ぶことに決め
悠希を背負い、

帰路に戻った








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