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『…雨だ』
日本に来て１ヶ月がたった
梅雨という時期があってこれはめんどくさい
毎日、雨雨雨
いい加減うっとうしい
中国にも梅雨はあった
でもこれほど…
しかも今日に限って傘を忘れてしまった
ツナはもう帰ったみたいだし
濡れる覚悟で帰ろうかな
「名前？」
『あ、』
ツナの仲間の山本武だ
「これから帰りか？」
『そうだよ』
そういう山本は片手に傘
肩にバットを抱えている
雨なのに野球でもするのか？
『野球すんの？』
「え？あぁ、こういう時こそ自主練しねぇとな！」
このうっとうしい天気には似合わない笑顔でそう言った
「名前、傘ねぇのか？」
いつまでも帰らないあたしをおかしいと思ったんだろう
『うん、忘れてきた』
「まじかよ、…じゃあ、これ使うか？」
ビニールの傘をあたしに差し出してきた←‖→