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「んで、どうなの?」


『は?どうって…』


「宍戸」


『え、なんで』


「だってさーめっちゃ仲良いじゃん!よく喋ってるし」


『ただの腐れ縁ですー』


そう、腐れ縁。

あいつだってそう思ってるはず





でもホントのこと言うと

私は思ってない





好きだった

いつからかなんて分からないけど

一緒に居すぎて



感情に気付く暇なんて無かった








でもこの想いが届くはずがないことも分かってる



亮はまず、私のこと女として見てない


一緒に居すぎて





近い場所にいるはずなのに

これ以上近付くことはできない
















昼休み、亮がやってきた

「なぁ名前」


『なにー?』


「今日、お袋がなんかケーキ焼くって張り切っててよ。うちにこいだって」


『うん、行く!…って今日なんかあったっけ?』


「いや、別にねぇんだけど」


『そうなんだ。それにしても久しぶりだなぁ亮のお母さんのケーキ!んじゃ今日行くね!』


近所にある亮の家へは昔からよく遊びに行っていた

でも最近はなかなか行くこともなくて、今日は久しぶり!


亮のお母さんにも会いたいし!


楽しみにして1日を過ごした











家に着いて、着替え、準備をして
出発!!

といっても歩いて3分もせずに着くのだが。




ピーンポーン

ベルを押し少し経って開いたドア

「おっ、来たか!」

なんて立っている亮がいて


久しぶりの私服姿にドキッとしてしまったのは言うまでもない…





『おじゃましまーす』

「わー名前ちゃんいらっしゃい!!」

『お久しぶりです!』

「ケーキもうすぐ焼けるからちょっと待っててね」

『はい!』









亮の部屋

今はケーキが出来るまでする事のない私はこれまた久しぶりに亮の部屋へきていた


――カチャ

亮が、買ってきた缶ジュースをあける


『あ、それ新しい味のやつ!!ちょーだい!』


「ん。」


『ありがとー』


……普通に飲んでしまったけど

これって間接キス…!!


どうしよう…!!と思ってふと亮を見ると

まったく気にしていないようで


全く意識してないんだということを思い知らされる


『結構美味いねー』

「だろ!俺も気に入った」



私ばっかり意識してこんなになって

理不尽だなんて分かってるけど


なんかイライラしてきたーあー



「なぁー」


『………』


「なぁ名前ー?」


『あ、何』


「ん?怒ってんのか?」


しまった、声に出た…!!



『怒ってないといえば嘘になる』

「はぁ?なんでだよ」


『よしっ』


―――ガタッ



微妙な空気を壊すように私は立ち上がった


「おい、何やってんだよ」


『やー、健全な男子中学生たるものエロ本の1冊や2冊部屋に隠れてると思うのだよ』


「いきなりなんだよ…つーか、んなもんいくら探したってねーぞ」

『探してみないと分からないさ!』


さっきまでのモヤモヤを吹き飛ばしたいのと単純な好奇心で、あらゆるところを探し回る

亮は呆れ顔で見ているようだ







『ない…なんで!!』


「だから、ねぇって言ってんだろ」


『えー、つまんねー、』


「なんだそれっ!」


『…あ!この引き出しまだ探してなかった!!』


「あ、待て!そこは」


『おっ、その反応は…ここだな?』

「ちげーよ!おい、やめろって!!」

『ますます怪しい!』


「おい!!」



―――ガラッ


そこに入っていたのは

一つの箱


『箱?ずいぶんと用心深いのね』

「おい、開けんな!!」




真っ赤になって焦る亮

箱を開けるとそこには


『…え?』


「あー……」


そこには、箱の中には



『…これって』


「あ、あのな、その…お、お前から…貰ったモンだけど」





箱の中に入っていたのは
私が誕生日やバレンタインやらにあげた
キーホルダーやアクセサリー





『何でこんな…あっ!』



私が見つけたのは
前に撮った2ショットの写真



『これ…何で…』


「あー、言うしかねーか。…お、俺な、お前のコト…好きだ……だからこれ、なんつーか…」



今、何て…?

亮が、好き?…私を?



予想もしなかった言葉に

思わず涙がこぼれる



「!?な、何で泣くんだよ、」


『……ホント?』


「…あぁ」


『私も』


「!」


『好き、私も』


「!!…やべぇ、すげー…嬉しい……っつーか、もう泣くなよ。似合わねーぞ?」


『、だってーっ』
















「名前」



『んー?』



「まじで、好きだから...」



『もー照れながら言うな、こっちまで恥ずかしいわ』






A CHILDHOOD FRIEND




『そーいえば、なんで箱に入れてんの?』

「だってよ…汚れたり無くしたりすんのは嫌だし…」

『写真も?』

「…あぁ」

『大切にしてくれてんのは嬉しいけどさー…アンタは乙女か!!』

「う、うるせー!!」












( あとがき)


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