1/4




時はもうすぐバレンタイン、




世の女の子達はわくわくして
ずいぶん張りきっているよう








私はというと…











はやくも心が折れそうです














バレンタインなんて年に1度のイベント
楽しみじゃないわけじゃない

というかむしろ楽しみだった








けど、





まぁバレンタイン前といえば
女子同士の間では誰にあげるだのなんだのって話があるわけで





私の好きな人は




その中でも名前が最もあがる








野球部エース、山本武










山本はモテるってことはもちろん知っている






去年だってすごかった!!



山本にチョコあげたいって言う子はもちろんたくさんいて

2月14日、山本の周りにはたくさんの女の子。




次々と渡されるチョコを





「サンキューな!」





なんて言って
全部受け取る山本。




別に私は彼女でもなんでもない訳だから
チョコあげようとする子がいくらいようとそれをすべて山本がうけとろうと私には関係はない










けど、どうしたって気になってしまっている自分がいた






普段は普通に話す友達、というようなポジションである私は去年
意地張ってチョコを渡すことが出来なかった









それどころか嫌味なんて言ってしまう始末で
私ってつくづく駄目だなと思う





『さっすが山本。モテモテだねぇ』


「名前は、くんねーのか?」


『そんなにあるんだから、私まであげたってしょーがないでしょ』


「……そっか。ははっ…俺ちょっと期待してたんだけどな」





それなのに
かえってきたのは意外な返事。










山本のことだから今の言葉には
深い意味はないかもしれない


でも
私の心にひっかかるには十分で




チョコ渡せば良かったなぁ
なんて後悔したのだった




だから


深い意味は無くてもいい
なんだっていいから
今年こそ渡す!!





なんて言ってみたものの






今年は後輩もいるし
去年以上の女子が14日は山本へチョコを渡しに行くだろう




あぁ、めげそうだ…














 ‖


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -