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「あぁ?いなくなる夢だぁ?」











夜中、こいつが俺の部屋に飛び込んで来たときには驚いた










―――ドンッ

「!?」

『…スクっ…スク!!』


名前はとても動揺していて
俺を見た瞬間抱きついてきた





















「落ち着いたかぁ?」


『…うん。』


少し時間が経ち、そう訪ねると
名前はゆっくりと頷いた





『あのね、』
























どこか現実離れしているような世界で


その感覚はあまりにリアルで
鮮明に頭に残っていた










私は追いかけていた


貴方の後ろ姿を



大好きな、揺れる銀色の長い髪



その姿ははっきりと見えているのに








伸ばした右手が

貴方に届くことは無くて










遠ざかっていく貴方の後ろ姿







『…スク!スク!!』



いくら名前を呼んでも振り返ってはくれない




『………スクっ…!!』
















私の頬に涙がつたったそのとき

貴方は1度だけ振り向いた





そして、


どこか悲しいような笑みを1つ浮かべ





前へ向き直し歩きだした




そのまま

大好きな貴方の後ろ姿は




消えた

















「――っ!!」


夢から覚めたその時

私の中にはとめどない不安が一気に押し寄せる



気がついたら走り出していた









貴方に会いたい




ただ、それだけ


















『…だからっ…』


説明をしている私の声は震える





『…だから…スク、どこにもいかないで』




そう言い終わると私は
スクに抱きしめられていた


「…俺は、お前をおいて消えたりなんてしねぇぞぉ」


『!』








その言葉だけで十分だった


貴方の胸の鼓動が

今ははっきりと聞こえる







「だから、泣くなぁ」





貴方の温もりを

今は感じることが出来る









それだけで、幸せなの











夢の終わりに、






(次ページ→あとがき)


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